ローランドてんかんに対するレベチラセタムと従来薬の有効性比較

提供元:ケアネット

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公開日:2018/11/30

 

 レべチラセタム(LEV)はカルバマゼピン(CBZ)やバルプロ酸ナトリウム(VPA)と比較して、良性ローランドてんかんにおけるローランド発射(RD)を抑制する効果が優れていることが、山梨大学の金村 英秋氏らの研究によって明らかになった。Seizure誌2018年11月号に掲載。

 中心・側頭部に棘波をもつ良性ローランドてんかんは、小児の特発性部分てんかんの1つである。本研究では、小児における非定型進化を予防するためのLEVの有効性を、従来の抗てんかん薬(AED)と比較するために、小児の良性ローランドてんかんにおける発作間脳波(EEG)上のRDの低減における、従来薬であるCBZおよびVPAとLEVの有効性を比較した。

 患者は最初の単剤治療に基づいてCBZ群、VPA群、LEV群に分けられた。CBZ群とVPA群については後ろ向き研究、LEV群については前向き研究が実施され、RDの出現数をカウントし、発射頻度を計算した。ベースラインと比較して、AED処方時のEEG応答を完全消失と反応(RDの頻度が50%以上減少)に分類した。各AED治療群について、EEG反応者において完全消失または反応を達成するのに要する時間を評価した。

 主な結果は以下のとおり。

・奏効例の割合は、CBZ群で11.2%(10/89例)、VPA群で56.2%(41/73例)、LEV群で71.4%(25/35例)であった。
・EEG応答の達成までに要した平均時間は、CBZ群で36.3ヵ月、VPA群で23.1ヵ月、LEV群で14.7ヵ月であり、CBZ群(p<0.001)またはVPA群(p<0.005)よりもLEV群で有意に速く達成された。
・痙攣コントロールは、検討した3種類の薬剤すべてで有意差はなかった。

(ケアネット 生島 智樹)