転移を有する乳がんの生存期間、1990年以降20年で1.8倍に/JNCI Cancer Spectr

提供元:ケアネット

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公開日:2019/01/30

 

 近年、転移のある乳がん(MBC)の治療は著しく変化したものの、転移後の生存期間の改善については明らかになっていない。そのような中、1970年以降の2つの時期における、再発(MBC全体、ER陽性再発MBC、ER陰性再発MBC)およびde novo Stage IV MBCにおける生存期間(OS)をロジスティック回帰モデルを用い経時的に検証した米国のシステマチックレビューが、JNCI Cancer Spectrum誌2018年12月24日号で発表された。

 主な結果は以下のとおり。

・再発MBCについては15件の研究(n=18,678例、ER陽性3,073例、ER陰性1,239例)が、de novo stage IV MBCでは8件の研究(n=35,831)を対象にした。
・1980~1990年には、再発MBC患者のOSの改善は認められなかった。
・1990~2010年には、再発MBC患者のOSは21ヵ月(95%CI:18~25)から38ヵ月(95%CI:31~47)に伸長した。
・1990~2010年のER陽性MBC患者におけるOSは32ヵ月(95%CI:23~43)から57ヵ月(95%CI:37~87)に伸長した。
・1990~2010年のER陰性MBC患者におけるOSは14ヵ月(95%CI:11〜19)から33ヵ月(95%CI:21〜51)に伸長した。
・1990~2010年のde novo Stage IV MBC患者におけるOSは20ヵ月(95%CI:16~24)から31ヵ月(95%CI:24~39)に伸長した。

(ケアネット 細田 雅之)