BMI高値は、NSCLCの免疫チェックポイント阻害薬治療の予後良好因子か/JAMA Oncol

提供元:ケアネット

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公開日:2020/01/23

 

 BMI高値は、悪性黒色腫における免疫チェックポイント阻害薬のサバイバルベネフィットの独立した関連因子であるが、進行非小細胞肺がん(NSCLC)におけるその関連は明らかではない。オーストラリア・フリンダース大学のGanessan Kichenadasse氏らは、NSCLCにおけるPD-L1阻害薬アテゾリズマブのアウトカムとBMIの関連を調べるため、4つの国際的多施設臨床研究から事後解析を行った。4つの試験は、単群の第II相試験(BIRCH試験、FIR試験)と、2群の無作為化臨床試験(POPLAR試験、OAK試験)で、データ分析期間は2019年2月28日~9月30日であった。BMIと全生存期間(OS)、 無増悪生存期間(PFS)および毒性との関係についてITT解析した。研究の詳細はJAMA Oncology誌オンライン版2019年12月26日号に掲載された。

 主な結果は以下のとおり。

・4試験の2,261例のうち2,110例が解析に適格とされた。
・2,110例中アテゾリズマブ投与患者は1,436例、ドセタキセル投与患者は676例であった。
・肥満(BMI 30以上)はアテゾリズマブ群のOSの改善と有意に関連していたが、ドセタキセル群では関連はみられなかった。
・アテゾリズマブ群でのOSおよびPFSとBMIの関連はPD-L1高発現グループで最も強かった。
・高PD-L1発現(TC50%以上またはIC10%以上)患者でのOSのハザード比(HR)は、肥満患者では0.36(95%CI:0.21~0.62)、過体重患者では0.69(0.48~0.98)であった。
・高PD-L1発現(同上)患者でのPFSのHRは、肥満患者では0.68(0.49~0.94)、過体重患者では0.72(0.56~0.92)であった。

 著者らは、「BMI高値は、NSCLCにおけるアテゾリズマブのサバイバル改善に独立して関連していると考えられ、ベースラインBMIは、今後の免疫チェックポイント阻害薬の研究における層別化因子として考慮されるべきだ」と述べている。

(ケアネット 細田 雅之)