抗精神病薬誘発性体重増加は、第1世代および第2世代抗精神病薬による治療において重要な問題となるが、しばしば軽視されて、心血管疾患を引き起こす可能性につながる。インド・全インド医科大学のNaveen Chandrashekar Hegde氏らは、抗精神病薬誘発性体重増加に対する利用可能な治療オプションの有効性を評価および比較するため、ネットワークメタ解析を実施した。General Hospital Psychiatry誌オンライン版2024年6月11日号の報告。
MEDLINE/PubMed、Embase、Scopus、Cochraneデータベース、臨床試験レジストリより関連する臨床試験を抽出した。ベースラインからの体重変化に対する介入の全体的な効果をプールするため、ランダム効果ベイジアンネットワークメタ解析を実施した。ネットワークグラフ作成、一貫性モデルの実行、ノード分割分析の実施、SUCRAスコアに従った治療のランク付けを行った。治療期間、ベースライン時の体重、治療戦略を予測変数とし、メタ回帰を行った。エビデンスの確実性に基づき結果を分類した。
主な結果は以下のとおり。
・関連する臨床試験は、68件抽出された。
・有意な体重減少を示した薬剤および用量は、エフェクトサイズ順に次のとおりであった。
●sibutramine 10mg:−8.0kg(−16.0〜−0.21)
●メトホルミン 750mg+生活習慣の改善:−7.5kg(−12.0〜−2.8)
●トピラマート 200mg:−7.0kg(−10.0〜−3.4)
●メトホルミン 750mg:−5.7kg(−9.3〜−2.1)
●トピラマート 100mg:−5.7kg(−8.8〜−2.5)
●トピラマート 50mg:−5.2kg(−10.0〜−0.57)
●リラグルチド 1.8mg:−5.2kg(−10.0〜−0.080)
●sibutramine 15mg:−4.5kg(−8.9〜−0.59)
●ニザチジン 300mg:−3.0kg(−5.9〜−0.23)
●メトホルミン 1,000mg:−2.3kg(−4.6〜−0.0046)
・抗精神病薬誘発性体重増加の体重減少に対し、治療期間、ベースライン時の体重、予防と治療戦略の影響は認められなかった。
著者らは、「抗精神病薬誘発性体重増加に対する治療法として、メトホルミン750mg+生活習慣の改善が最も効果的であり、トピラマート200mg、メトホルミン750mg、トピラマート100mgによる治療が中程度の確実性でこれに続くことが確認された」としている。
(鷹野 敦夫)