体幹および四肢の線状創の閉鎖において、連続水平マットレス縫合(HM)と連続皮内縫合(SQ)の審美的アウトカムは、どちらが優れるのか。米国・カリフォルニア大学デービス校のZachary Kwapnoski氏らは、これらの審美的アウトカムを評価することを目的に、無作為化評価者盲検比較試験を行った。その結果、評価スコアの合計点には有意差が認められなかったが、患者および評価者はいずれもSQのほうが優れると評価したことを報告した。HMとSQは、どちらも他の縫合法よりも優れるとされているが、これまでHMとSQの直接比較は行われていなかった。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2024年6月28日号掲載の報告。
研究グループは、体幹および四肢における線状創に対する連続HMと連続SQの審美的アウトカムを比較した。本試験には患者50例を登録し、手術創の片側には、連続HMまたは連続SQを施行し、もう一方には残りの手法を適用した。主要アウトカムは、術後3ヵ月以上経過時点のThe Patient and Observer Scar Assessment Scale(POSAS)スコアであった。
主な結果は以下のとおり。
・POSAS合計スコアは、HMが19.49点、SQが17.76点であり、有意差はなかった(p=0.14)。
・患者の評価スコアは、HMが4.71点、SQが3.50点(p=0.02)、評価者の評価スコアは、HMが3.87点、SQが3.29点であった(p=0.03)。
著者は本試験の限界として、単施設試験であり、比較的均質な集団であったことを指摘している。
(ケアネット)