局所進行子宮頸がん(LACC)に対する同時化学放射線療法(CCRT)へのペムブロリズマブの上乗せは、日本人患者においてもグローバルと同様に無増悪生存期間(PFS)の改善傾向を示した。
1999年以降、LACCの標準治療は、化学療法と外部照射放射線治療(EBRT)の併用とその後の小線源療法へと続くCCRTである。現在、CCRTの効果をさらに高めるために免疫チェックポイント阻害薬の上乗せが検討されている。
KEYNOTE-A18試験(ENGOT-cx11/GOG-3047)は未治療の高リスクLACCにおいてペムブロリズマブ+CCRTとCCRT単独を比較した第III相試験である。グローバル集団の初回解析の結果ではCCRT単独に比べ、ペムブロリズマブ+CCRTがPFSを有意に改善している(ハザード比[HR]:0.70、95%信頼区間[CI]:0.55〜0.89、p=0.002)1)。第66回日本婦人科腫瘍学会学術講演会では、愛知県がんセンターの鈴木 史朗氏が同試験の日本人サブセットの結果を発表した。
対象:FIGO2014 Stage IB2〜IIB(リンパ節転移陽性)またはStage III〜IVAの子宮頸がん(リンパ節転移問わず)
試験薬群:CDDP(40mg/m2)毎週 5サイクル+EBRT+小線源療法+ペムブロリズマブ(200mg)3週ごと 5サイクル→ペムブロリズマブ(400mg)6週ごと 15サイクル(ペムブロリズマブ群)
対照群:CDDP(40mg/m2)毎週 5サイクル+EBRT+小線源療法+プラセボ 3週ごと 5サイクル→プラセボ6週ごと 15サイクル(プラセボ群)
評価盲目:
[主要評価項目]治験責任医師・治験分担医師評価のPFSまたは全生存期間(OS)
[副次評価項目]24ヵ月PFS、全奏効率、患者報告アウトカム、安全性
主な結果は以下のとおり。
・グローバル1,060例中、日本人サブセットは90例(ペムブロリズマブ群42例、プラセボ群48例)であった。
・日本人サブセットのPFS中央値は両群とも未到達(HR:0.60、95%CI:0.24〜1.52)、12ヵ月PFS率はペムブロリズマブ群81.8%、プラセボ群71.8%、24ヵ月PFS率はそれぞれ71.6%と評価不能であった。
・Grade3以上の治療関連有害事象(TRAE)はペムブロリズマブ群の85.4%、プラセボ群の81.3%に発現した。治療関連死はみられなかった。
・ペムブロリズマブ群で頻度の高いTRAEは下痢(80.5%)、悪心(80.5%)、好中球減少(63.4%)、貧血(61.0%)など。ペムブロリズマブ群で頻度の高い免疫関連有害事象は甲状腺機能低下(17.1%)、甲状腺機能亢進(9.8%)などであった。
KEYNOTE-A18試験における日本人サブセットの知見から、ペムブロリズマブ+CCRTは日本人の高リスクLACCに対する治療選択肢となり得るのではないか、と鈴木氏は述べた。
(ケアネット 細田 雅之)