インターロイキン(IL)-23のp19サブユニットに結合し、IL-23の活性を阻害するグセルクマブを用いた尋常性乾癬の維持療法について、16週ごと投与は8週ごと投与に対して非劣性であることが、ドイツ・フライブルク大学のKilian Eyerich氏らによる海外第IIIb相二重盲検無作為化比較試験「GUIDE試験」で示された。慢性の炎症性皮膚疾患である乾癬には、個別化治療およびde-escalation治療戦略に関するアンメットニーズが存在する。試験結果を踏まえて著者は、「今回の試験は、2回の連続した診察時(20週時および28週時)に皮膚症状が完全に消失した患者において、グセルクマブの投与間隔を延長しても疾患活動性をコントロール可能であるとのエビデンスを示した初の無作為化比較試験となった」とまとめている。JAMA Dermatology誌オンライン版2024年7月31日号掲載の報告。
GUIDE試験は中等症~重症の尋常性乾癬患者を対象に、グセルクマブの早期介入と投与間隔の延長を評価する試験で、現在も進行中である。ドイツとフランスの80施設で行われており、「早期介入の影響」「投与間隔の延長」「治療中止後の有効性の維持」を評価する3パートで構成されている。
本論で報告されたのは投与間隔の延長を評価するパート2の結果で、最初の患者は2019年9月、最後の患者は2022年3月に受診した。
パート1(0週~28週)では、患者は0週時、4週時、12週時、20週時にグセルクマブ100mgの投与を受けた。このうち20週時と28週時にPsoriasis Area and Severity Index(PASI)スコア0を達成した患者をスーパーレスポンダー(SRe)とし、パート2(28週~68週)では、これらSReを8週ごとまたは16週ごとのグセルクマブ100mg投与群に無作為化した。非SReは、非盲検下で8週ごとにグセルクマブの投与を継続した。
試験の主要目的は、SReにおける疾患コントロール(68週時点でPASI<3)達成率(主要エンドポイント)について、16週ごと投与群の8週ごと投与群に対する非劣性(マージン10%)を検証することであった。バイオマーカーに関するサブスタディでは、皮膚および血液における免疫学的効果を評価した。
主な結果は以下のとおり。
・パート2では、822例がグセルクマブの投与を受けた(SRe 297例[36.1%]、非SRe 525例[63.9%])。
・SRe(8週ごと投与群148例、16週ごと投与群149例)は、平均年齢39.4(SD 14.1)歳、女性95例(32.0%)、男性202例(68.0%)であった。
・主要エンドポイントの疾患コントロール達成率は、16週ごと投与群91.9%(137/149例、90%信頼区間:87.3~95.3)、8週ごと投与群92.6%(137/148例、88.0~95.8)であり、グセルクマブ16週ごと投与の8週ごと投与に対する非劣性が示された(非劣性のp=0.001)。
・臨床的有効性は免疫学的変化と一致していた。CD8陽性組織常在型メモリーT細胞数はベースラインから速やかに減少し、両群ともに低値を維持していた。同様に、血漿中のIL-17A、IL-17F、IL-22、βディフェンシン2値もベースラインから有意に低下し、68週時点まで両群ともに低値を維持した。
・グセルクマブの忍容性は良好であり、新たな安全性シグナルは確認されなかった。
(ケアネット)