これまでの研究で、ビタミンCが片頭痛の発症や重症度の低下と関連している可能性が示唆されているが、サンプル数が少なく、このエビデンスは限られている。中国・Sichuan Mental Health CenterのDehua Zhao氏らは、一般集団における食事中のビタミンC摂取と片頭痛との関連を明らかにするため、横断的研究を実施した。Journal of Human Nutrition and Dietetics誌オンライン版2024年9月10日号の報告。
1999〜2004年の国民健康栄養調査(NHANES)データを用いた。過去3ヵ月以内に重度の頭痛または片頭痛を経験した患者を、片頭痛患者として分類した。食事中のビタミンC摂取量は、24時間食事想起システムを用いて評価した。食事中のビタミンC摂取量と片頭痛との関連を評価するため、ロジスティック回帰モデル、制限付き3次スプライン(RCS)回帰、層別分析を用いた。
主な結果は以下のとおり。
・本研究の参加者4,101例中、片頭痛患者は702例(17.12%)であった。
・人口統計学的共変量、ライフスタイル共変量、臨床検査値、身体検査、身体活動、食事共変量、合併症で調整した後、食事中のビタミンC摂取と片頭痛との間に逆相関があることが明らかとなった(オッズ比[OR]:0.89、95%信頼区間[CI]:0.83〜0.96、p=0.002)。
・ビタミンC摂取量で分類すると、ビタミンC摂取量が最も多い(Q4)場合、最も少ない場合(Q1)と比較し、片頭痛の調整済みORは0.64(95%CI:0.49〜0.84)であった(p=0.001)。
・RCS回帰分析では、食事中のビタミンC摂取量と片頭痛との間に、直線的な逆相関が認められた(Pnon-linearity=0.449)。
・結果には一貫性が認められ、異なるグループ間で有意な相互作用が認められなかった。
著者らは「食事中のビタミンC摂取量と片頭痛との逆相関が認められ、その関連性は、直線的な負の相関であることが明らかとなった」と結論付けている。
(鷹野 敦夫)