乾癬に対するナローバンドUVB療法について、自宅で行う同治療の有効性は外来治療との比較において非劣性であり、患者の負担は少ないことが示された。米国・ペンシルベニア大学のJoel M. Gelfand氏らが多施設共同無作為化非劣性試験「Light Treatment Effectiveness study:LITE試験」の結果を報告した。乾癬に対する外来治療でのナローバンドUVB療法は費用対効果が高いが、患者のアクセスに課題がある。一方、自宅治療は患者の負担は少ないが臨床データは限定的で、とくに肌の色が濃い患者のデータが不足していた。JAMA Dermatology誌オンライン版2024年9月25日号掲載の報告。
研究グループは、乾癬に対するナローバンドUVB療法について、自宅治療の外来治療に対する非劣性を検討することを目的として、米国内の大学および民間の皮膚科診療所42施設において、医師主導の非盲検並行群間比較プラグマティック試験を実施した。試験登録期間は2019年3月1日~2023年12月4日であり、2024年6月までフォローアップが行われた。
12歳以上の尋常性乾癬または滴状乾癬の患者を対象とし、ガイドモード付き線量測定機能を備えた家庭用ナローバンドUVB照射機で治療を受ける群(自宅治療群)または診療所でナローバンドUVB療法を受ける群(外来治療群)に1対1の割合で割り付けた。治療期間は12週間、治療終了後の観察期間は12週間とした。
主要有効性アウトカムは2つで、介入終了時のPGA(Physician Global Assessment)スコア0/1(皮膚症状の消失/ほぼ消失)と、観察期間終了時のDLQI(Dermatology Life Quality Index)スコア5以下(QOLへの影響なし/軽微)であった。
主な結果は以下のとおり。
・783例が登録された(平均[SD]年齢48.0[15.5]歳、女性376例[48.0%]、自宅治療群393例、外来治療群390例)。
・被験者のスキンフォトタイプ(SPT)は、I/IIが350例(44.7%)、III/IVが350例(44.7%)、V/VIが83例(10.6%)であった。また、全身治療を受けていたのは93例(11.9%)であった。ベースライン時の平均(SD)PGAスコアは2.7(0.8)、DLQIスコアは12.2(7.2)であった。
・12週時に、PGAスコア0/1を達成した患者の割合は、自宅治療群32.8%(129例)、外来治療群25.6%(100例)、DLQIスコア5以下を達成した患者の割合は、それぞれ52.4%(206例)、33.6%(131例)であった。
・自宅治療は外来治療に対し、全患者集団およびすべてのSPTにわたって、PGAとDLQIに関して非劣性を示した。
・自宅治療群は外来治療群と比較して、治療アドヒアランスが良好であり(51.4%[202例]vs.15.9%[62例]、p<0.001)、患者の間接費用の負担も少なかったが、持続性紅斑エピソードは多かった(5.9%[治療7,957回中466回]vs.1.2%[3,934回中46回]、p<0.001)。
・いずれの群でも有害事象による治療中止はなく、忍容性は良好であった。
(ケアネット)