帯状疱疹後神経痛、crisugabalinが有効

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2024/10/30

 

 帯状疱疹後神経痛を有する成人患者へのcrisugabalin(HSK16149)40mg/日または80mg/日は、プラセボとの比較において忍容性は良好であり、疼痛の改善も示された。中国・南昌大学第一付属病院のDaying Zhang氏らが、crisugabalinの有効性と安全性を検討した第III相無作為化比較試験の結果を報告した。同薬剤は中国で開発中の経口カルシウムチャネルα2δ-1リガンドである。中国では、帯状疱疹後神経痛の負担が大きいことから、既存のカルシウムチャネルリガンドよりも有効性が高く、神経毒性の少ない新薬が待望されているという。JAMA Dermatology誌オンライン版2024年9月25日号掲載の報告。

 本試験は2021年11月9日~2023年1月5日に、中国国内の3次医療センター48施設で2パートに分けて実施された。

 パート1は、多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照並行群間比較第III相試験として実施され、2週間のスクリーニング期、1週間の導入期、12週間の二重盲検治療期で構成された。パート2は、14週間の非盲検下での延長試験であった。治験責任医師、データ分析者、治験担当医師および患者は、割り付けを盲検化された。

 対象患者は、過去1週間のNRS(Numerical Rating Scale:0[痛みなし]~10[最大の痛み])に基づく平均疼痛スコア(average daily pain score)が4以上の帯状疱疹後神経痛を有する成人患者とした。なお、プレガバリン(300mg/日以上)またはガバペンチン(1,200mg/日以上)で疼痛コントロール不良の患者は除外された。

 パート1では、対象患者をcrisugabalin 20mg 1日2回(40mg/日群)、同40mg 1日2回(80mg/日群)、プラセボ(プラセボ群)による治療を受ける群に1対1対1の割合で無作為に割り付け、いずれも12週間投与した。パート2ではcrisugabalin 40mg 1日2回による治療を行ったが、治験責任医師の裁量により40~80mg/日の範囲で用量調整を可とした。

 有効性の主要エンドポイントは、12週時点のNRSに基づく平均疼痛スコアのベースラインからの変化量であった。

 主な結果は以下のとおり。

・対象患者は366例(年齢中央値63.0歳[四分位範囲:56.0~69.0]、男性193例[52.7%])であった(40mg/日群121例、80mg/日群121例、プラセボ群124例)。
・12週時点のNRSに基づく平均疼痛スコアのベースラインからの変化量(最小二乗平均値±標準偏差)は、プラセボ群が-1.1±0.2であったのに対し、40mg/日群が-2.2±0.2、80mg/日群が-2.6±0.2であった。
・プラセボ群との群間差(最小二乗平均値)は、40mg/日群が-1.1(95%信頼区間:-1.6~-0.7、p<0.001)、80mg/日群が-1.5(-2.0~-1.0、p<0.001)であった。
・安全性に関する新たな懸念は報告されなかった。

(ケアネット)