高脂血症治療薬が体内時計を調整する? 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2008/10/14 独立行政法人 産業技術総合研究所(以下、産総研)生物機能工学研究部門 生物時計研究グループ 石田 直理雄(のりお)研究グループ長 兼 上席研究員、大石 勝隆 主任研究員らは、徳島大学医学部 勢井 宏義(せい ひろよし)教授との共同研究で、高脂血症治療薬であるフィブレートが動物の冬眠などの体内季節時計に影響を及ぼすことを発見したと発表した。この研究では、フィブレートを餌に混ぜてマウスの飼育を行い、冬眠状態の生理と似た状態がマウスに現れることが発見された。フィブレートは肝臓細胞の核内受容体PPARαに結合することが知られており、フィブレートが日周体内時計を前進させ、それによる睡眠障害の治療効果があるという。今回、核内受容体PPARαが日周体内時計だけでなく、体内季節時計をも動かすことが発見された。この結果は、人間のような冬眠しなくなった哺乳類においても、冬眠時代の分子メカニズムが残されている可能性を示唆しており、このメカニズムを解明することによって、冬期うつ病のような治療の難しい病気に対する治療法開発につながると期待されるとのこと。研究成果の一部は、米国内分泌学会誌Endocrinology10月号に掲載される。また、2008年10月20日~21日に産総研つくばセンターで開催される「産総研オープンラボ」でも公開される予定(「体内時計分子からの創薬」として研究室公開予定)。 詳細はプレスリリースへhttp://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2008/pr20081009/pr20081009.html 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 1950~2023年の年齢・男女別の死亡率の推移~世界疾病負担研究/Lancet(2025/10/28) HER2変異陽性NSCLCの1次治療、sevabertinibの奏効率71%(SOHO-01)/ESMO2025(2025/10/28) MSI-H大腸がん、ニボルマブへのイピリムマブ追加でPFS延長傾向(CheckMate 8HW)/ESMO2025(2025/10/28) 「若者は管理職になりたがらない」は医師にも当てはまる?/医師1,000人アンケート(2025/10/28) アルツハイマー病のアジテーションに対するブレクスピプラゾール〜RCTメタ解析(2025/10/28) 心血管疾患の発症前にはほぼ常に警告サインあり(2025/10/28) ビタミンD欠乏症が10年間で有意に減少、骨折リスク低減に期待(2025/10/28)