日本イーライリリーは11日、同社が世界精神保健連盟(WFMH)と協力し実施した『ADHD 360国際調査』の結果を発表した。
この調査は、ADHDをもつ子ども達がより良い生活を送るための課題、またADHD児を支援する保護者と医療現場の連携はうまく取れているのか、といった問題を探ることを目的に、保護者・医師の立場の違いによる考え方の比較、および国際比較するために、日本を含む世界9ヵ国で実施された。回答者は、7~18歳のADHDの子をもつ保護者719名と、ADHD児の診療経験2~30年の医師663名。
その結果、日本の保護者と医師、また、日本の保護者と国外の保護者で認識にギャップがあることがわかってきた。
日本の保護者は、学校生活に限らず「日常生活」など生活全般について心配であり、「基本的な日常生活が難しい(62%)」が最も多く、「自尊心を育てられない(49%)」、「自分自身をコントロールできない(45%)」と続いた。一方、医師は「学校で適切な行動をとれない(56%)」が最も多く、次いで「友達関係を築いたり維持できない(51%)」と、学校生活や友達関係といった保護者の目を離れた場面について特に心配している傾向があった。
国内外の保護者で差が出た項目は、「特別な学校教育プログラム」「在宅医療制度」「行動療法やセラピー」「認知行動療法や会話療法」などで、いずれも日本の保護者の回答が少ないという結果が出た。日本では治療や支援手段のバリエーションが少ないことから、治療関連の回答に差が出ており、治療・支援に手詰まり感を抱いていることが示唆された。
調査結果の詳細はこちら
http://www.lilly.co.jp/CACHE/news_2009_05.cfm