治験中の抗がん剤BSI-201が転移性トリプルネガティブ乳がん患者の生存期間を改善する

提供元:ケアネット

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公開日:2009/06/08

 



サノフィ・アベンティス株式会社は4日、仏サノフィ社と子会社のバイパー・サイエンシズ社が転移性トリプルネガティブ乳がん(TNBC)の患者における、ポリADPリボースポリメラーゼ(PARP)阻害剤である BSI-201と、ゲムシタビンおよびカルボプラチンの化学療法(GC)との併用に関する第II相無作為化臨床試験の結果を発表した。

BSI-201は、DNAの損傷を修復する酵素のPARP1を阻害することで作用する新しい治験薬。

この試験では、エストロゲン受容体とプロゲステロン受容体が発現しておらずHER2の過剰発現も見られない腫瘍と定義される転移性TNBCの患者116人を、GCと治験薬BSI-201の併用療法またはGC化学療法のいずれかに無作為に割り付けた。BSI-201を併用しない化学療法に割り付けられた患者に対して、増悪が見られた段階でBSI-201の投与を可能とした。

臨床的有用性が認められた患者の割合は、BSI-201とGC化学療法を併用した患者群では約62%で、GC化学療法のみの患者群では21%であった(p=0.0002)。抗腫瘍効果(完全奏功または部分奏功)が認められた患者の割合は、BSI-201とGC化学療法を併用した患者群では48%であったが、GC化学療法のみの患者群では16%だった。BSI-201の投与を受けた患者群では、無増悪生存期間の中央値が6.9ヵ月、全生存期間が9.2ヵ月だったが、化学療法しか受けていない患者群ではそれぞれ3.3ヵ月、5.7ヵ月だったという。無増悪生存期間および全生存期間のハザード比は、それぞれ0.342(p<0.0001)、0.348(p=0.0005)とのこと。

また、最も一般的に見られた重篤な(グレード3および4)有害事象は、好中球減少症(GC化学療法とBSI-201を併用した患者群では57人中25人、GC化学療法のみの患者群では59人中31人)、血小板減少症、貧血であったという。BSI-201とGC化学療法を併用した患者群では、発熱性好中球減少症は見られなかったという。BSI-201によって、化学療法に関連した有害事象の頻度や重篤度が高まることもなかったとしている。

詳細はプレスリリースへ(PDF)
http://www.sanofi-aventis.co.jp/live/jp/medias/B634F983-8B4A-4AC8-B040-7651537063FC.pdf