こころの病気を学ぶ授業(うつ病編)の開発」に関する共同研究を行っている国立大学法人東京学芸大学と日本イーライリリー株式会社は、研究結果から、「こころの健康状態に問題を持つ生徒がいると回答した中学校は全体の98.7%である」ことを報告した。
同社らは共同研究の一貫として、思春期から青年期に発症することが多いといわれる「うつ病」などの精神疾患に関し、中学生のメンタルヘルスの現状と課題、および学校現場でのメンタルヘルス教育の現状と課題を把握することを目的に、2008年11月~12月、首都圏の公立中学校を対象に、「こころの病気を学ぶ授業プログラムの開発に関する調査研究」を実施した(調査対象507校、うち有効回答163校)。
また、精神医療専門機関を受診する生徒がいる学校は83.9%、うつ病の生徒がいる学校は37.3%あった。半数以上(53.1%)の学校で、心の健康状態に問題を持つ生徒が増えており、半数近く(46.5%)の回答者が「過去3年間に自殺の悩みを相談された経験がある」と回答している。
調査の結果から、調査に回答したほぼすべての中学校に心の健康状態に何らかの問題を持つ生徒がおり、そのような生徒が増えている傾向があるということがわかったという。また、このような状況のなか、多くの教師がメンタルヘルス教育の必要性を認識しているにも関わらず、教える知識や情報、ノウハウの不足などから、メンタルヘルス教育を実施している学校は約3割にとどまることも明らかになったという。
詳細はプレスリリースへ
http://www.lilly.co.jp/CACHE/news_2009_13.cfm