ヒトパピローマウイルス(HPV)のワクチン接種は、グレード2以上の子宮頸部上皮内腫瘍(CIN2+)の再発リスクを低減すると考えられることが、「The BMJ」に8月3日掲載されたレビューで示された。
英インペリアル・カレッジ・ロンドン(ICL)のKonstantinos S. Kechagias氏らは、局所手術後のCIN2+の再発リスクを検討するため、システマティックレビューとメタアナリシスを実施した。22件の試験が選択基準を満たし、うち18件はワクチン非接種群からのデータも報告していたことから、メタアナリシスに組み入れた。
その結果、ワクチン接種者ではワクチン非接種者と比べ、CIN2+の再発リスクが低いことが分かった(リスク比0.43)。サブタイプであるHPV16型およびHPV18型に関連する疾患についてCIN2+の再発リスクを評価したところ、その効果推定値はさらに高かった(同0.26)。メタアナリシスの信頼性には「非常に低い」から「中程度」の幅があり、これは出版バイアスおよび試験間の不一致によるものと考えられた。グレード3の子宮頸部上皮内腫瘍の再発リスクもワクチン接種者の方が低かったが、不確実性は大きかった(同0.28)。外陰部、腟および肛門の上皮内腫瘍の再発、性器疣贅、およびHPVの持続感染と初発感染に対する有益性は認められなかった。
著者らは、「今回のメタアナリシスの結果は、子宮頸部上皮内腫瘍の局所切除時にHPVワクチン接種を併用することで、高悪性度の前浸潤性病変の再発リスクを低減できる可能性を示唆している」と述べている。
[2022年8月5日/HealthDayNews]Copyright (c) 2022 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら