身体測定と大腿周囲測定で、患者の心疾患リスク、早死にリスクが把握できる?

提供元:ケアネット

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公開日:2009/10/09

 



BMI値低値と除脂肪体重低値が早死にと関連していること、また、BMI値、腹囲、腹囲臀部周囲比率の各値が高値で、臀部周囲が低値であることも同じく早死にと関連していることは知られている。さらに最近の研究では、大腿周囲が低値ほど心血管疾患と全死因死亡リスクが大きくなるとの指摘があり、デンマーク・コペンハーゲン大学病院のBerit L Heitmann氏らは、検証のため、前向き観察によるコホート研究を行った。BMJ誌2009年9月26号(オンライン版2009年9月3日号)より。

大腿周囲長は心血管系死亡リスクの独立したリスク因子




心血管疾患、冠疾患インシデントならびに全体死亡率と大腿周囲の間の関連性を検討する調査は、MONICAプロジェクト(1987~1988年にかけて身長、体重、大腿・臀部・腹囲、インピーダンス法による身体組成を調査)に参加したデンマークの成人男性1,436人と成人女性1,380人。主要評価項目は心血管および冠疾患の10年間の発生率と、12.5年の追跡期間内の全死因死亡とした。

調査の結果、男女とも大腿周囲が細いほど、心血管および冠疾患による死亡リスクが大きいことが明らかになった。大腿周囲が約60cmを下回る場合に、早死にリスクが非常に増加していた。

一方、男女とも、大腿周囲が60cmより大きいことについての付加的利点は確認されず、腹部および身体全体の肥満、生活習慣、心血管のリスク因子(例えば血圧や脂質濃度)とは独立した因子であることが確認された。

身体測定が早死にリスク者を判別する材料になる可能性も




そして大腿周囲が細いことは、心臓病や早死にの原因となるなど、リスク増加と関連していると思われた。大腿周囲が細いのには、同部位の筋肉量が少なすぎることと関連している可能性がある。

これらからHeitmann氏は、身体測定とあわせて大腿周囲を測定することによって、開業医が心疾患罹患率と早死にリスクを早期に見極めるのに役立つ可能性があると報告している。