臨床医のためのMedline論文検索、機能アップへの取り組み

提供元:ケアネット

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公開日:2009/10/16

 



カナダ・西オンタリオ大学腎臓病学部門のAmit X Garg氏らは、臨床医がより使いやすいMedlineの論文検索システムの開発に取り組んでいる。データベースで最も人気が高いMedlineでは、PubMed検索が毎年約8億件に上り、そのうち約15%(2002年時点)が臨床医によるものだという。また2009年2月現在、5,363誌からの1800万件の論文が電子データベース化され、毎週新たに12,500件の論文が追加されている。そこでGarg氏らは、フィルタ検索機能を開発。本論はその検索機能改善の取り組みからの報告。BMJ誌2009年10月3日号(オンライン版2009年9月18日号)掲載より。

腎臓病分野でのフィルタ検索機能改善




Garg氏らは、腎臓病分野でのフィルタ検索機能改善に取り組んだ。

2006年以降に発行された40誌から4,657件の論文を選び、マニュアル作業でレビューを実施。結果19.8%が、腎臓病分野に関する情報を含んだ論文だった。

一方、独自開発した「腎臓病フィルタ」検索機能では、1,15万5,087件がヒット。2~14の単語、フレーズとの関連づけが達成できた。例えば、「kidney」「renal replacement therapy」「renal dialysis」「kidney function tests」など。

この検索機能の結果について、感度、特異度、精度などを調べたところ、独自開発した「腎臓病フィルタ」検索機能の感度は97.8%、特異度は98.5%と、パフォーマンスの高いことが確認された。

Garg氏は、「このフィルタ検索機能をPubMedに組み込むことでMedlineでの腎臓病関連の検索機能が高まる可能性がある。それは臨床医の日常診療の助けとなるだろう」と報告。また、同じ要領で腎臓病以外のフィルタ検索機能も開発することができるだろうとしている。