群発頭痛の症状緩和に高流量酸素治療が有効

提供元:ケアネット

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公開日:2009/12/22

 



群発頭痛の症状緩和には、高流量酸素治療が有効であることが、英国ロンドンNational Hospital for Neurology and NeurosurgeryのAnna S. Cohen氏らの調べで明らかにされた。現在、急性の群発頭痛に対して公認されている治療法は、スマトリプタン(商品名:イミグラン)の皮下注射のみである。JAMA誌2009年12月9日号で発表された。

高流量酸素100%を12L/分で吸入




研究グループはロンドンにあるNational Hospital for Neurology and Neurosurgeryで2002~2007年にかけて、国際頭痛学会(International Headache Society)の基準で群発性頭痛の認められた、109人(18~70歳)について、二重盲無作為化プラセボ対照交差試験を行った。被験者はそれぞれ4回の頭痛について、高流量酸素治療とプラセボ治療を交互に受けた。

高流量酸素群は、群発頭痛の発症時に、高流量酸素100%を12L/分の割合で顔マスクから吸入した。

15分後の痛み消失は、高流量酸素群で78%、プラセボ群は20%




分析対象としたのは、反復発作性群発頭痛の57人、慢性群発頭痛の19人だった。

第1エンドポイントの、治療開始後15分の痛みの消失が認められた割合は、プラセボ群が20%(95%信頼区間:14~26%、148発作)だったのに対し、高流量酸素群では78%(同:71~85%、150発作)と有意差が見られた(p<0.001)。

第2エンドポイントの、治療開始後30分の痛みの消失、60分までの痛み軽減スケール、15分後の鎮痛剤服用の有無などについても、高流量酸素群がプラセボ群より勝っていた。

なお、重要な有害事象は認められなかった。

(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)