ADL集中型作業療法は脳卒中発症後の活動性低下を防止する

提供元:ケアネット

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公開日:2007/11/16

 

リハビリテーションは脳卒中発症後の日常生活動作(ADL)を改善することが示されているが、作業療法の有用性は明らかでない。また、これまでの脳卒中後の作業療法に関するレビューは、個々の患者の活動性の評価が十分ではなかった。
 そこで、Lynn Legg氏(イギリス・グラスゴー大学王立病院NHSトラスト老年医学)らは、脳卒中発症後のADLに重点を置いた作業療法による機能回復の改善効果について検討した研究の系統的レビューとメタ解析を行った。BMJ誌9月27日付オンライン版、11月3日付本誌掲載の報告。

解析対象はADL集中型作業療法の評価を行っている試験




Cochrane stroke group trials register、文献データベース、手作業による調査などから選択基準を満たす無作為化対照比較試験を抽出し、系統的なレビューとメタ解析を実施した。

選択基準は、作業療法の効果を個々の患者のADL訓練に重点を置いて評価していること、すなわち脳卒中患者に対する作業療法のターゲットが作業遂行能力である研究とした。

オリジナルデータは試験の報告者から得た。2名の研究者が独立に各試験の方法論の質を評価し、見解が異なる場合は協議により解決した。

パフォーマンスが改善、不良なアウトカムのリスクが減少




9試験の1,258例が対象となった。ADL集中型作業療法を受けた群は、介入なしあるいは通常のケアを受けた群に比べパフォーマンススコアが有意に増大した(p=0.001)。

また、ADL集中型作業療法群は、不良なアウトカム(死亡、ADL低下あるいはADL依存)のリスクが有意に減少した(オッズ比:0.67、p=0.003)。

Legg氏は、「ADL集中型作業療法は脳卒中発症後の患者のパフォーマンスを改善し、ADL低下のリスクを減少させる有効な介入法である」と結論し、「すべての脳卒中患者がADL集中型作業療法を利用できるようにすべき」と指摘している。

(菅野 守:医学ライター)