本報告を行った米国保健統計センター/疾病予防管理センターのKatherine M. Flegal氏らは2000年時点の検討報告として以前に、低体重、過体重、肥満それぞれの全死因死亡率との関連について報告を行っている。すなわち正常体重群と比べて、低体重群と肥満群では全死因死亡率の有意な増加との関連が認められたが、過体重群では有意な減少が認められたとするものだった。
本報告では、BMI値と全原因死亡率との関連(2004年時点における)を調査。JAMA誌11月7日号で掲載された。
各BMI値カテゴリーと、心血管疾患・癌・その他疾患との関連を調査
低体重(BMI <18.5)、過体重(BMI 25~30)、肥満(BMI >30)とし、心血管疾患、癌、その他(癌、心血管疾患以外)疾患それぞれを死因とする死亡率との関連性が調べられた本研究は、全米対象の国民健康栄養調査(NHANES)の調査期間I(1971~1975年)、II(1976~1980年)、III(1988~1994年)の参加者571,042人年が対象。2000年までの死亡率追跡調査、1999~2002年期間調査からBMI値等のデータ、2004年人口動態統計データの25歳以上230万人の死因情報を加味して検討された。
BMI値と各死因死亡率とには特異的関連がある?
その結果低体重群では、癌と心血管疾患を除くその他疾患を死因とする死亡率で有意な増加(超過死亡:23,455例)が、過体重群ではこの点に関して有意な減少(超過死亡:-69,299例)が認められ、また肥満群では心血管疾患を死因とする死亡率に関してのみ有意な増加(超過死亡:112,159例)が認められた。
より詳細な解析結果からは、過体重+肥満は、糖尿病、腎疾患で死亡率の増加(超過死亡:61,248例)が認められた一方、癌と心血管疾患を除くその他疾患については減少(超過死亡:-105,572例)していることが認められたと報告。
また肥満群では、肥満との関連が指摘される癌の死亡率の増加(超過死亡:13,839例)が認められた一方で、それ以外の癌死亡との関連は認められなかったという結果も得た。
調査期間間の死亡率の比較からは、肥満と心血管疾患との関連は経時的減少傾向にあるという示唆が得られたとも報告。
Flegal氏らは、「今回の結果は、BMI値と全死因死亡率との関連性を明らかにすることに結びつくだろう」と結論づけている。
(武藤まき:医療ライター)