肥満者は肝硬変リスクが高い

提供元:ケアネット

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公開日:2010/04/02

 



肥満は、肝硬変の発生率を増すようだ。英国オックスフォード大学がん疫学部門のBette Liu氏らが、英国中年女性を対象に行った前向き試験「Million Women Study」からの結果で、致死性肝硬変のうち約17%は、肥満に由来するもので、アルコール由来の約42%に匹敵するものだという。BMJ誌2010年3月20日号(オンライン版2010年3月11日号)掲載より。

平均56歳の女性123万を6.2年追跡




「Million Women Study」は、1996~2001年に英国とスコットランドの公的医療機関であるNHS乳がんスクリーニングセンターで参加者を集め、その入院や死亡情報をルーチンに集約している情報センターの記録を追跡調査し行われた。

参加者は計123万662人で、平均年齢(募集登録時点)は56歳、平均6.2年追跡された。

主要評価項目は、肝硬変による初回入院または死亡の相対リスクおよび絶対リスク。年齢、試験への募集期間、アルコール消費量、喫煙、社会経済学的状態、身体活動で補正が行われた。

肥満で飲酒習慣のある女性は特に注意




追跡期間中、肝硬変による初回入院または死亡は1,811例だった。

BMIが22.5超の女性は、その値が増すほど肝硬変の発生率が高まった。BMIが5単位増すごとに補正後肝硬変リスクは28%増大(相対リスク:1.28、P<0.001)していた。同リスク増大は、アルコール消費量によって有意に変わることはなかったが、絶対リスクは変わった。

アルコール消費量が70g/週未満女性の肝硬変絶対リスクは、5年間1,000人当たり、BMI「22.5~25」群は0.8(95%信頼区間:0.7~0.9)だが、「30~」群は1.0(0.9~1.2)。一方、150g/週以上飲む女性になると、それぞれ2.7(2.1~3.4)、5.0(3.8~6.6)だった。