米国では、1988~2008年にかけて、血圧がコントロールされている人の割合が、27.3%から50.1%にまで改善したことが明らかになった。特に1999~2000年から2007~2008年にかけては、同割合は18.6ポイント増加していた。米国サウスカロライナ大学のBrent M. Egan氏らが、4万人超の18歳以上について調べ明らかにしたもので、JAMA誌2010年5月26日号で発表した。全米の健康政策「Healthy People 2010」の中で、血圧コントロール率の目標は50%となっていた。
血圧コントロールの定義は140/90mmHg未満
同氏らは、1988~1994年と1999~2008年のNational Health and Nutrition Examination Survey(NHANES)データを用い、18歳以上の4万2,856人について、2年ごとの血圧コントロールなどに関するデータを分析した。
高血圧の定義は、「平均収縮期血圧140mmHg以上、平均拡張期血圧90mmHg以上」、「降圧薬の服用」のいずれかだった。血圧コントロールの定義は、収縮期血圧140mmHg未満/拡張期血圧90mmHg未満だった。
患者の認識の割合、降圧薬服用の割合も増大
その結果、高血圧の罹患率は、1988~1994年の23.9%から、1999~2000年には28.5%へと増加していた。ただし2007~2008年は29.0%で、2000年以降の間の有意な変化はなかった。
一方、高血圧コントロールについては、1988~1994年の27.3%から、2007~2008年は50.1%へと、大幅に改善した(p=0.006)。同期間の高血圧患者の血圧も、143.0/80.4mmHgから135.2/74.1mmHgへと、有意に低下していた(p=0.02/p<0.001)。
高血圧コントロールの割合については、1999~2000年から2007~2008年にかけては18.6ポイント増加し、1988~1994年から1999~2000年への4.1ポイント増加に比べ、大幅な改善がみられた(p<0.001)。同期間にはまた、自分が高血圧であることを認識している人の割合も69.1%から80.7%へ(p=0.03)、降圧薬服用者の割合も54.0%から72.5%(p=0.004)へと増加した。
(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)