1日100mg以上のオピオイド処方、過剰摂取による死亡リスクを4.5~12倍に増大

提供元:ケアネット

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公開日:2011/04/19

 



オピオイドの処方量と過剰摂取による死亡リスクとには関連があり、1日100mg以上処方した場合は、1日1~20mg未満処方した場合と比べて、過剰摂取による死亡リスクが4.5~12倍に増大することが明らかになった。投与の指示(「定期的に服用」と「必要に応じて服用」)と死亡リスクに関しては、差は認められなかったという。米国・ミシガン大学のAmy S. B. Bohnert氏らが明らかにしたもので、JAMA誌2011年4月6日号で発表した。米国ではここ10年ほどの処方オピオイドの過剰摂取による死亡が増大しており(1999~2007年で124%)、処方パターンと死亡リスクとの関連の可能性が指摘されていた。

オピオイド過剰摂取による死亡率、0.04%と推定




Bohnert氏らは、がん、慢性疼痛、急性疼痛、物質使用障害(substance use disorders)でオピオイドを使用していた患者において、1日の処方量や服薬スケジュール(必要に応じて服用、定期的に服用、両者)と過剰摂取による死亡リスクとの関連を評価することを目的に試験を行った。

退役軍人健康庁(Veterans Health Administration;VHA)のデータを基に、2004~2008年までに故意ではなく過剰摂取により死亡した750人と、2004~2005年に診察を受けたオピオイド服用者から無作為に抽出した15万4,684人について検討した。

主要評価項目は、年齢、性、人種、共存症で補正後の、処方量・スケジュールと死亡との関連とした。

結果、オピオイド過剰摂取による死亡率は0.04%と推定された。

がん患者への1日100mg以上投与、過剰摂取による死亡リスクは12倍




故意ではないオピオイド過剰摂取による死亡リスクは、1日の最大処方量と直接的な関連が認められた。

1日1~20mg未満投与に比べ、1日100mg以上投与のオピオイド過剰摂取による死亡に関する補正後ハザード比は、物質使用障害患者で4.54(95%信頼区間:2.46~8.37、絶対リスク差:0.14%)、慢性疼痛患者で7.18(同:4.85~10.65、同:0.25%)、急性疼痛患者で6.64(同:3.31~13.31、同:0.23%)、がん患者で11.99(同:4.42~32.56、同:0.45%)だった。

服用に関する指示については、「定期的服用」と「必要に応じて服用」との補正後リスクに有意差はなかった。

(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)