アデノイド切除、小児の反復性上気道感染症にベネフィットを認めず

提供元:ケアネット

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公開日:2011/09/23

 



小児の反復性上気道感染症に対する治療戦略について、即時のアデノイド切除が、経過観察群を上回る臨床的ベネフィットを示さなかったことが報告された。オランダ・ユトレヒト大学医療センターのM T A van den Aardweg氏らが行った、非盲検無作為化試験の結果による。アデノイド切除は、小児中耳炎ではいくつかの臨床的ベネフィットをもたらしており、反復性上気道感染症も一般的に適応となるが、そのエビデンスは不足していた。BMJ誌2011年9月10日号(オンライン版2011年9月6日号)掲載報告より。

1~6歳児111例を対象に、即時vs. 経過観察について非盲検無作為化試験




Aardweg氏らは、2007年4月~2009年4月の間に、11の総合病院と2つの教育研究病院から集められた、反復性上気道感染症でアデノイド切除適応となった1~6歳児111例を対象に非盲検無作為化試験を行った。

被験児を、即時にアデノイド切除を行う戦略群(鼓膜切開あり・なし含む)、初期は経過観察とする戦略群に無作為化し、主要アウトカムを最長24ヵ月間追跡期間中の上気道感染症発生数/人・年とし、副次アウトカムには上気道感染症を呈した日数/人・年、発熱を伴う中耳炎エピソード回数および日数、発熱を有した日数、上気道感染症有病率、健康関連QOLなどを含み評価を行った。

24ヵ月追跡期間中の上気道感染症エピソード、アデノイド切除群7.91、経過観察群7.84




追跡期間中央値24ヵ月間の上気道感染症エピソードは、アデノイド切除群7.91件/人・年、経過観察群7.84件/人・年で、発生率差は0.07(95%信頼区間:-0.70~0.85)であった。

意味のある両群差は、上気道感染症を呈した日数(発生率差についてアデノイド切除群が-1.27)、発熱を伴う中耳炎回数(同0.05)および日数(同0.01)、また健康関連QOLについて認められなかった。

上気道感染症の有病率は追跡期間中、両群ともに低下した。

一方で、アデノイド切除群は発熱を有した日数が、経過観察群より有意に長かった[20.00 vs. 16.49日/人・年(差:3.51、2.33~4.69)]。

手術関連の合併症の発生は2例であった。