1973~2009年の健康と雇用、経済動向との関連:英国一般世帯調査

提供元:ケアネット

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公開日:2012/05/25

 



1973~2009年の間の、健康と雇用、経済動向との関連をみた結果、男女とも、健康と雇用確保・維持との関連は強くなっていることが明らかとなった。英国・シェフィールド大学のJonathan William Minton氏らの調査結果による。社会階級と健康状態、経済活動との有害な関連については、1973~1993年の間の観察結果が1996年のBMJで発表されていた。Minton氏らは、その後の1994~2009年の間も、経済情勢や全国民の健康状態は改善しているが、有害な関連は続いていたかどうかを調査した。BMJ誌2012年5月12日号(オンライン版2012年5月4日号)掲載報告より。

1973~2009年の英国一般世帯調査を基に解析




研究グループは、英国一般世帯調査(General Household Survey)1973~2009年の各年間の調査対象となった20~59歳の男女を対象に、反復断面調査解析を行った。

主要評価項目は、雇用率、失業率、回答者サブグループでの経済不活動状態(economic inactivity)とした。

結果、全体的な雇用率は、生産年齢男性については減少していた一方、生産年齢女性では上昇していた。
男女とも健康状態が雇用率と深く関連




特に男性における右肩下がりの傾向は、職業グループに依ることが認められた。37歳以上では、職業的グループ間のeconomic inactivityと雇用率の格差が、長期にわたる疾患を有している群と有していない群とで大きいことが認められた。

またMinton氏は、「男性では、雇用率の低下、economic inactivity増大が健康状態の不良によるものであることがみてとれた。女性では、健康状態が良好な群では、一般的には雇用率が上昇し、economic inactivityの低下が認められたが、健康状態が不良の女性では、反対の関連が認められた」と報告。「健康と雇用、economic inactivityとの関連について、2005年以降の女性上位2グループは男性よりもより強くなっているということ、また健康状態の不良と雇用率低下との関連がより強くなっているというエビデンスが示唆された」と分析結果を述べている。