C型肝炎ウイルス(HCV)遺伝子型1型の慢性感染患者に対し、microRNA-122(miR-122)阻害薬ミラヴィルセンは、用量依存的にHCV RNA濃度を低下することが示された。オランダ・エラスムス大学病院のHarry L.A. Janssen氏らが行った国際共同第2a相無作為化試験の結果で、NEJM誌オンライン版2013年3月28日号で発表した。ミラヴィルセンは、ロックド核酸-修飾DNAホスホロチオエート・アンチセンスオリゴヌクレオチドで、成熟したmiR-122を安定したヘテロ二本鎖に隔離することで、その機能を阻害する新たな核酸医薬品である。
ミラヴィルセンを週1回、5回投与し18週間追跡
試験は7ヵ国共同で行われ、HCV遺伝子型1型の慢性感染患者36例について、ミラヴィルセンの有効性と安全性を評価することを目的とした。
被験者は無作為に、ミラヴィルセンを体重1kg当たり3mg、5mg、7mgおよびプラセボを受ける群に割り付けられ、週1回の間隔で計5回、皮下注射を受けた。研究グループは被験者について試験開始後18週間にわたり追跡した。
14週後にHCV RNA無検出、5mg/kg群で1例、7mg/kg群で4例
その結果、ミラヴィルセン投与群では、用量依存的にHCV RNA濃度の低下がみられ、投与期間が過ぎても同効果が持続した。ベースラインからの平均HCV RNA濃度の低下は、プラセボ群0.4 log
10 IU/mLに対し、3mg/kg群1.2 log
10 IU/mL(p=0.01)、5mg/kg群2.9 log
10 IU/mL(p=0.003)、7mg/kg群3.0 log10 IU/mL(p=0.002)だった。
追跡14週時点で、HCV RNAが検出されなかったのは、5mg/kg群で1例、7mg/kg群で4例だった。
また安全性については、ミラヴィルセン投与の用量制限毒性はみられず、HCVゲノムのmiR-122結合部位におけるエスケープ変異も認められなかった。
(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)