心房細動患者の治療マネジメントにおいては、心血管代謝リスク因子のマネジメント強化とともに減量を指導することが、心房細動の症状および重症度の軽減に結びつき、また心臓リモデリングに有益であることが示された。オーストラリア・アデレード大学のHany S. Abed氏らが、単施設150例を対象とした無作為化試験の結果、報告した。肥満は心房細動のリスク因子であることは知られているが、減量と心血管代謝リスク因子のマネジメントが、心房細動の症状を軽減するかについては不明であった。JAMA誌2013年11月20日号掲載の報告より。
肥満の心房細動患者を、減量介入群と通常生活習慣アドバイス群に無作為化
研究グループは、減量と心房細動の心血管代謝リスク因子のマネジメントが、心房細動の症状および心臓構造自体に与える影響について調べることを目的とした。試験は2010年6月~2011年12月に、アデレード大学心臓疾患センターにて部分的盲検化にて行われた。被験者は、過体重もしくは肥満症の症候性心房細動の外来患者(21~75歳、BMI 27以上、腹囲男性100cm・女性90cm以上)であった。
被験者は、無作為に減量指導を受ける群(介入群)または通常の生活習慣アドバイスを受ける群(対照群)に割り付けられた。両群とも心血管代謝リスク因子のマネジメント強化が行われた。
主要アウトカムは、心房細動重症度スケールのスコア(症状の負荷と重症度)とし、ベースラインから3ヵ月ごと、15ヵ月時点まで測定した。副次アウトカムの評価は、ベースライン時と12ヵ月時点で行った、ホルター心電図7日間測定で検出した心房細動エピソード総数と累積期間、心エコーによる左房容積、心室中隔壁厚であった。
エピソード数、症状重症度スコアなどが減量群で有意に減少
248例の患者がスクリーニングを受け、150例が無作為化(各群75例)され追跡を受けた。
介入群は、対照群と比べて体重が有意に減少し(14.3kg vs. 3.6kg、p<0.001)、心房細動症状スコア(11.8ポイントvs. 2.6ポイント、p<0.001)、症状重症度スコア(8.4ポイントvs. 1.7ポイント、p<0.001)、エピソード数(2.5 vs. 変化なし、p=0.01)、累積期間(692分減少vs. 419分増加、p=0.002)も有意に減少した。
また、心室中隔壁厚(1.1 mm vs. 0.6mm、p=0.02)、左房容積(3.5 cm
2 vs. 1.9cm
2、p=0.02)も介入群で有意に減少した。