脳動静脈奇形(未破裂)の予防的切除や塞栓術は予後を改善できるか?/Lancet

未破裂脳動静脈奇形には、薬物療法単独のほうが、薬物療法+介入治療を行うよりも死亡や脳卒中のリスク抑制に優れることが明らかにされた。米国・コロンビア大学医療センターのJ P Mohr氏らによる多施設共同非盲検無作為化試験「ARUBA」の結果、示されたもので、これまで未破裂脳動静脈奇形の予防的切除の臨床的ベネフィットは明らかになっていなかった。Lancet誌オンライン版2013年11月19日号掲載の報告より。
9ヵ国39施設で被験者を登録し薬物療法+介入治療と薬物療法単独に無作為化
ARUBA試験は、未破裂脳動静脈奇形の死亡または脳卒中リスクについて、薬物療法単独と薬物療法+介入治療とを比較することを目的とし、9ヵ国39施設で18歳以上の成人被験者を登録して行われた。被験者は無作為に、薬物療法+介入的治療(脳外科手術、塞栓術、定位放射線療法の単独または複合など)か、薬物療法単独(神経学的症状に応じた投薬治療)に割り付けられ追跡を受けた。患者と治療医には治療割り付けが知らされた。
主要アウトカムは、死亡あるいは脳卒中発生の複合エンドポイントとし、intention to treat解析で評価した。
薬物療法単独群の死亡または脳卒中のエンドポイント発生ハザード比0.27
無作為化は2007年4月4日に開始され、2013年4月15日に、米国国立衛生研究所(NIH)国立神経疾患・脳卒中研究所(NINDS)のデータ・安全モニタリングボードの勧告で、薬物療法群の優越性が明らかになったとの理由(log-rank検定のZ統計が4.10であり事前規定の中断限界値2.87を上回った)により中断された。同時点においてアウトカムデータが入手できたのは、223例(介入療法群114例、薬物療法単独群109例)、平均追跡期間(±SD)は33.3±19.7ヵ月であった。
主要エンドポイントの発生は、薬物療法単独群11例(10.1%)であったのに対し、介入療法群は35例(30.7%)だった。死亡または脳卒中のリスクは、介入療法群よりも薬物療法単独群で有意に抑制された(ハザード比:0.27、95%信頼区間[CI]:0.14~0.54、p<0.0001)。
有害イベントについては、介入療法群のほうが、脳卒中の全発生数が有意に多かったこと(45 vs 12、p<0.0001)、脳卒中と関連しない神経障害が有意に多かったこと(14 vs 1、p=0.0008)を除けば、特筆すべきものはみられなかった。
本試験は、両群の格差が持続するかを確認するため、現在さらに5年間のフォローアップが行われているという。
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脳動静脈奇形(未破裂)の予防的切除や塞栓術などの介入療法では予後を改善できない(コメンテーター:中川原 譲二 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(167)より-
コメンテーター : 中川原 譲二( なかがわら じょうじ ) 氏
梅田脳・脊髄・神経クリニック 脳神経外科
J-CLEAR評議員