クローン病に対する新規開発経口薬のモンジャーセン(mongersen)について、第II相の二重盲検プラセボ対照無作為化試験の結果、寛解維持および臨床効果の達成割合が有意に高いことが示された。イタリア・トルヴェルガタ大学のGiovanni Monteleone氏らが報告した。モンジャーセンは、経口SMAD7アンチセンスオリゴヌクレオチドで、回腸および大腸のSMAD7を標的とすることが示されていた。クローン病に関連する炎症は、免疫サイトカインのトランスフォーミング増殖因子β1(TGF-β1)の活性低下によって特徴づけられ、TGF-β1の低下は、SMAD7の発現量が増加しTGF-β1シグナルを阻害するためであることが知られていた。NEJM誌2015年3月19日号掲載の報告より。
モンジャーセン10mg、40mg、160mg vs. プラセボ、2週間治療の無作為化試験
活動期のクローン病患者への治療として、モンジャーセンの有効性を評価した試験は、患者を、モンジャーセン10mg、40mg、160mg群またはプラセボ群に無作為に割り付け、1日1回2週間投与して行われた。
主要アウトカムは、15日時点の臨床的寛解の維持(クローン病活動指数[CDAI]スコア150未満が2週間以上維持と定義して判定)、および治療の安全性とした。
副次的アウトカムには、28日時点の臨床効果(CDAIスコア100以上減少と定義して判定)とした。
CDAIスコア150未満2週間以上維持達成、40mg群と160mg群でプラセボに有意差を確認
結果、主要エンドポイントの臨床的寛解維持の達成は、40mg群(55%)、160mg群(65%)が、プラセボ(10%)と比べて有意であった(p<0.001)。10mg群の達成率は12%で、プラセボとの有意差はみられなかった。
臨床効果の達成は、モンジャーセン投与群がいずれもプラセボ群と比較して有意に高率であった。達成率は、10mg群37%、40mg群58%、160mg群72%であり、プラセボ群は17%であった(それぞれp=0.04、p<0.001、p<0.001)。
有害事象は大部分は、クローン病の合併症および症状に関連したものであった。