第1子と第2子妊娠間の体重増、死産・新生児死亡リスク増大/Lancet

提供元:ケアネット

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公開日:2015/12/17

 

 第1子妊娠から第2子妊娠の間に母親の体重が増加すると、死産や新生児死亡リスクが増大することが確認された。とくに死産リスクについては、体重増と線形増加の関連性が認められた。スウェーデン・カロリンスカ大学病院のSven Cnattingius氏らが、約46万人の女性を対象に行った住民ベースのコホート試験の結果、明らかにした。著者は、「今回示された結果は、健康で過体重の女性について妊娠前の体重増を防止する必要があること、過体重女性では減量の促進が必要であることを強調するものである」と指摘している。Lancet誌オンライン版2015年12月2日号掲載の報告。

第1子・第2子妊娠初期BMIと出生児死亡リスクについて分析
 研究グループは、1992年1月1日~2012年12月31日に第1子と第2子を出産し、いずれも単産だった女性を対象にコホート試験を行った。

 母親の第1子・第2子妊娠それぞれ初期のBMIと、死産(在胎28週後に限定)や乳児(在胎22週以上で出生後28日未満)・後期乳児(同28日以上)・新生児(同1歳未満)死亡の発生を調べた。二項回帰分析を行い、妊娠間のBMI変化と各死亡率について相対リスク(RR)を算出し評価した。

第1子と第2子妊娠間にBMI値4以上増加で死産リスク1.55倍
 試験期間中に第1子、第2子を出産した女性58万7,710人のうち、完全な情報が得られた45万6,711人(77.7%)について分析を行った。

 その結果、第1子妊娠期BMI値と第2子妊娠期BMI値との変化が-1~1と安定していた母親と比べ、4以上増加した母親では、死産RRは1.55(95%信頼区間:1.23~1.96)、新生児死亡RRは1.29(同:1.00~1.67)といずれも増大がみられた。

 死産リスクについては、BMI増加に対して線形増加の有意な関連が認められた(傾向のp<0.0001)。

 第2子新生児死亡リスクは、第1子妊娠期BMIが25未満と標準だった母親のみで、BMI増加に伴いリスクの増大がみられた。BMIが2~4増加したときの補正後新生児死亡RRは1.27(同:1.01~1.59)、4以上増加では1.60(同:1.16~2.22)だった。

 第1子妊娠初期BMIが25以上の過体重の母親については、BMI減により乳児死亡リスクの低下がみられた(RR:0.49、95%CI:0.27~0.88)。

(医療ジャーナリスト 當麻 あづさ)