ホジキンリンパ腫の二次がんリスク、長期にわたって増加/NEJM

提供元:ケアネット

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公開日:2016/01/14

 

 ホジキンリンパ腫患者の治療後の二次がんリスクは、一般集団と比べて、治療後35年を経過しても3.9倍に上ることが明らかにされた。また、二次固形がんリスクについて、1989~2000年に治療を受けた群は、それ以前に治療を受けた群に比べても低くはなっていなかったという。オランダ・がんセンター研究所のMichael Schaapveld氏らが、1965~2000年にホジキンリンパ腫の治療を始めた3,905例について行った試験で明らかにした。NEJM誌2015年12月24日号掲載の報告。

治療後5年以上生存した患者を中央値19年追跡
 研究グループは、オランダで1965~2000年に、15~50歳でホジキンリンパ腫の治療を始め、5年以上生存が確認された3,905例を対象に追跡試験を行った。二次がん発症リスクについて、一般集団のがん発症リスクと比較した。

 追跡期間の中央値は19.1年だった。

40年の二次がん累積罹患率は49%
 結果、追跡期間中の二次がん発症は908例(1,055件)だった。一般集団と比べ、ホジキンリンパ腫コホートにおける標準化罹患比(SIR)は、4.6(95%信頼区間[CI]:4.3~4.9)だった。

 治療を受けてから35年以降についても、同リスクは約4倍と高かった(SIR:3.9、95%CI:2.8~5.4)。ホジキンリンパ腫コホートの40年時点における二次がん累積罹患率は、48.5%(95%CI:45.4~51.5)だった。

 さらに、1989~2000年に治療を受けた群と、1965~76年、1977~88年の群で比較したところ、二次固形がん累積罹患率は同等だった(不均一性に関するp=0.71)。

 また、乳がんリスクについてみたところ、腋窩を含まない横隔膜上領域照射療法を行った群で、マントル照射野再照射を行った群に比べ6割強低かった(ハザード比[HR]:0.37、95%CI:0.19~0.72)。

 プロカルバジン投与は高用量ほど乳がんリスクを低下し、累積投与量4.3g/m2体表面積以上(早期閉経に関連)が、乳がんリスクの有意な低下と関連していた(HR:0.57、95%CI:0.39~0.84、傾向のp=0.002)。一方で同量投与で、胃腸系がんリスクが高まることも認められた(非投与とのHR:2.70、95%CI:1.69~4.30)。

(医療ジャーナリスト 當麻 あづさ)