超音波検査は非侵襲的で触診感覚で行えることから、患者にとっても、医師にとっても非常に有用な検査です。その超音波を使いこなすにはどうすればよいのでしょうか。その答えは、この番組の中にあります。肝臓の疾患にフォーカスし、さまざまな症例の超音波画像から、何をどう見ていくのかを徹底的に解説します。これを見ると超音波画像がみるみる見えるようになるでしょう。
第1回 基本を押さえて異常を知る!超音波解剖と走査のポイント
超音画像を見てすぐに所見を述べられますか?なぜ答えることができないのでしょうか。それは超音波検査の「客観性の低さ」が問題なのです。その問題を解決するためには、撮影方法と肝臓の解剖理解して、標的臓器がわかるようになりそして、評価方法がわかるようになることです。そのためにも正常超音波画像を頭にたたき込みましょう。肝臓の超音波画像描出のコツは、メルクマールとなる門脈の描出、区域を意識する、呼吸の利用などなど、コツをしっかりと伝授します。まずは「基本を押さえて異常を知る」ことです。
第2回 びまん性肝疾患1 -脂肪肝を中心に-
びまん性肝疾患の評価方法、脂肪肝のエコー画像の特徴について解説します。
肝臓を観察する上でのチェックポイントは大きく6つあります。
1.肝臓の大きさ、2.肝臓の輪郭の評価(形態的な変化)、3.内部エコーの評価、4.肝内脈管・胆管の変化、5.肝外の随伴所見の有無、6.肝腫瘤性病変の有無です。
今回は、前半の3つについて実際の症例画像を挙げながら詳しく説明していきます。CT画像や組織所見などとの比較も行います。
これを見ればみるみる見えるようになるでしょう!
第3回 びまん性肝疾患2 -エコーパターンと肝内脈管評価を中心に-
内部エコーのエコーパターンは肝実質の線維化、壊死、胆汁うっ滞、血流障害などのさまざまな要因によって超音波の伝搬が不均一になるために現れる変化です。健常者では均一な像を呈していますが、肝硬変化、重症化するに伴い不均一化は進み、また、原因疾患によってそのパターンは異なります。また、肝内脈管の評価の際にも同様の変化を見ることができます。
第3回では、第2回に続き、肝臓を観察する上での6つチェックポイント、1.肝臓の大きさ、2.肝臓の輪郭の評価(形態的な変化)、3.内部エコーの評価、4.肝内脈管・胆管の変化、5.肝外の随伴所見の有無、6.肝腫瘤性病変の有無 の3(エコーパターン)、4、5について解説していきます。
第4回 肝腫瘤性病変と肝細胞がん1 -基本を押さえる-
肝腫瘤性病変の評価方法と肝細胞がんの典型的な超音波画像について解説します。
超音波装置の発展により、5mm大の結節性病変が散見されるようになったが、この結節をどう評価するか、CTやMRIで描出されない結節をどう扱うかなど
悩んだことはありませんか?
超音波は所見を撮りに行く検査です!なぜその所見が得られるか、何が臨床の場で重要なのかなど腫瘤性病変に関する考え方を学んでください。そうすれば撮り方も変わっていくでしょう。
第5回 肝腫瘤性病変と肝細胞がん2 -バリエーションを学ぶ-
肝腫瘤性病変の評価方法と肝細胞がんの典型的な超音波画像についての解説Part2です。
腫瘤性病自体の画像の評価からはもちろんのこと、その周辺に起こる画像の変化から読み取ることもダジです。
Halo(ハロー:腫瘤の辺縁環状低エコー帯)、側方エコー(Lateral Shadow:外側陰影)、後方エコーなど、
なぜそのような画像の変化が起こるのか、突き詰めていきましょう。そして、その意味がわかれば、より適切に病態を把握できるようになります。
第6回 肝腫瘤性病変3 -症例から学ぶ-
今回は、総まとめとして患者情報、検査結果、そしてエコー画像が提示される症例を診断していきます。これまでに学んだ肝臓観察時のチェックポイント-1.肝臓の大きさ、2、肝臓の輪郭、3.内部エコー、4.肝内脈管・胆管の変化、5.肝外随伴所見、6.肝内腫瘤性病変 を一つひとつ見ていきましょう。