更年期症状の緩和に植物ベース療法は有用?/JAMA

提供元:ケアネット

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公開日:2016/07/06

 

 植物エストロゲン含有サプリメントの利用は、更年期におけるホットフラッシュや膣乾燥の頻度をわずかだが低下する効果がある一方、寝汗は低下しない。オランダ・エラスムス大学医療センターのOscar H. Franco氏らによる、システマティックレビューとメタ解析の結果で、JAMA誌2016年6月21日号で報告している。西欧諸国の女性のうち40~50%が、更年期症状を緩和するため補完療法を用いているといわれる。研究グループは、植物ベース療法と更年期症状の関連を明らかにするため本検討を行った。

システマティックレビューとメタ解析で、ホットフラッシュ等の症状との関連を分析
 検討は、電子データベースのOvid MEDLINE、EMBASE、Cochrane Centralを用いて系統的に検索し、2016年3月27日以前に発表された試験を適格とした。包含した試験の参照リストなども検索した。

 植物ベース療法およびホットフラッシュ、寝汗、膣乾燥について評価していた無作為化試験を特定し、2人の独立したレビュワーが、あらかじめデザインしていた収集法でデータを抽出し評価した。植物ベース療法は、(1)植物エストロゲンを含む生物学的ベース療法(食事性大豆イソフラボン、大豆イソフラボンおよびアカツメクサ・イソフラボンなどのサプリメントおよびエキスほか)、(2)メディカルハーブ(中医学ハーブやその他を含む)であった。

大豆イソフラボンはホットフラッシュと膣乾燥を減少
 検索により総計62試験を特定し、女性6,653例について包含した。

 結果、植物エストロゲン使用と、日々のホットフラッシュの発現回数の減少(変化のプール平均差:-1.31、95%信頼区間[CI]:-2.02~-0.61)、膣乾燥スコアの減少(同:-0.31、-0.52~-0.10)との関連が認められた。一方、寝汗の発現回数についての関連は認められなかった(同:-2.14、-5.57~1.29)。

 個別にみると大豆イソフラボン(食事性およびサプリメント)は、日々のホットフラッシュの改善(同:-0.79、-1.35~-0.23)、膣乾燥スコアの改善(同:-0.26、-0.48~-0.04)との関連が認められた。

 メディカルハーブは、全体的に血管運動神経症状(vasomotor symptoms)の減少との関連がみられた。ただし中医学ハーブは除く。

 なお今回の結果について著者は、入手できた試験の質について全体的にばらつきが大きく、46試験(74%)で、試験の質の3領域以上で高値のバイアスリスクが示されたことを指摘し、植物ベース療法と更年期の健康とに関するさらなる厳密な試験が必要だと述べている。