超加工食品の摂取量、全がんリスク上昇と関連/BMJ

提供元:ケアネット

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公開日:2018/03/02

 

 食事における超加工食品(ultra-processed food)の割合が10%上昇すると、全がんリスクおよび乳がんリスクが10%以上有意に上昇することを、フランス・パリ第13大学のThibault Fiolet氏らが、前向き大規模コホート研究の結果で報告した。超加工食品は、低栄養価、添加物、食品と接触するパッケージの材質、製造・加工・貯蔵で生成される化合物によって特徴付けられる。がんリスクとの関連についての疫学データは不足しているが、これまでの研究では、一般に超加工食品と認識される特徴要素の中に発がん作用がある可能性が示唆されていた。BMJ誌2018年2月14日号掲載の報告。

超加工食品とがんリスクとの関連性を18歳以上の約10万人を対象に評価
 研究グループは、フランスのNutriNet-Santeコホート(2009~17年)に参加した、18歳以上の10万4,980例(年齢中央値42.8歳)を対象に、前向きコホート研究を実施した。

 さまざまな食品3,300種類について、24時間の食事記録(通常摂取量の記録)を繰り返し使用することで食事摂取量を収集し、NOVA分類による食品加工の程度に従って4つのカテゴリーに分類した。

 超加工食品と全がんリスク、乳がんリスク、前立腺がんリスク、大腸がんリスクとの関連を、既知のリスク因子で補正した多変量Cox比例ハザードモデルを用いて解析した。

超加工食品の割合が10%増で、全がんリスクが12%、乳がんリスクは11%上昇
 超加工食品の摂取量は、全がんリスクの上昇と関連していた(2,228例、超加工食品の割合の10%増加に対するハザード比[HR]:1.12[95%信頼区間[CI]:1.06~1.18]、傾向のp<0.001)。また、乳がんリスクの上昇との関連も認められた(739例、HR:1.11[95%CI:1.02~1.22]、傾向のp=0.02)。食事の栄養価(脂質、ナトリウム、炭水化物の摂取量、または西洋型の食事)を調整後も、同様に統計的有意差が認められた。前立腺がん、大腸がんとの関連性は確認されなかった。

 著者は研究の限界として、志願者に基づいたコホートであること、超加工食品への誤分類や残余交絡の可能性、追跡調査期間が比較的制限されたことなどを挙げたうえで、今後の課題として、「さまざまな加工の程度(栄養成分、食品添加物、接触物質、熱処理された加工食品中にある発がん性物質)による相対的影響を明らかにするため、さらなる研究が必要である」と述べている。

(医学ライター 吉尾 幸恵)

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コメンテーター : 島田 俊夫( しまだ としお ) 氏

地方独立行政法人静岡県立病院機構 静岡県立総合病院 リサーチサポートセンター センター長

J-CLEAR評議員