アルツハイマー病、血液検査で高い精度で診断/JAMA

血漿中リン酸化タウ217(p-tau217)と非p-tau217の比率(%p-tau217)と血漿中アミロイドβ42およびアミロイドβ40の比率(Aβ42:Aβ40比)を組み合わせたAPS2(amyloid probability score 2)と、%p-tau217のみに基づく検査は、事前に定義されたカットオフ値を用いた場合、1次医療および2次医療で認知症状を有する人のアルツハイマー病(AD)を高い精度で診断できることが明らかになった。スウェーデン・ルンド大学のSebastian Palmqvist氏らが、事前に定義されたバイオマーカーのカットオフ値を前向きに評価する目的で実施したコホート研究の結果を報告した。血液検査によりADを診断できる可能性がある。JAMA誌オンライン版2024年7月28日号掲載の報告。
%p-tau217とAβ42:Aβ40比による診断精度を検証
研究グループは2020年2月~2024年1月に、1次医療施設および2次医療施設にて、認知症状のために臨床評価を受ける患者1,213例を登録した。独立したコホートで確立されているバイオマーカーのカットオフ値を、1次医療コホート(307例)と2次医療コホート(300例)に適用し、患者1例当たり血漿1検体を単一バッチとして解析した。その後、1次医療コホート(208例)と2次医療コホート(398例)において、前向きに血液検査を行った(患者1例当たり血漿1検体が採取後2週間以内に解析された)。主要アウトカムはAD病理(脳脊髄液Aβ42:Aβ40比およびp-tau217の異常により判定)、副次アウトカムは臨床的ADとした。陽性予測値(PPV)、陰性予測値(NPV)、診断精度および曲線下面積(AUC)を算出して評価した。
APS2の診断精度は高く、集団全体で90%
1,213例の平均年齢は74.2歳(SD 8.3歳)、48%が女性で、主観的認知機能低下23%、軽度認知障害44%、認知症33%であった。1次医療と2次医療の両方の評価において、患者の50%がAD病理を有していた。血漿検体を単一バッチで解析した場合、1次医療コホートではAPS2使用時のAUCは0.97(95%信頼区間[CI]:0.95~0.99)、PPVは91%(95%CI:87~96)、NPVは92%(95%CI:87~96)、2次医療コホートではそれぞれ0.96(0.94~0.98)、88%(83~93)、87%(82~93)であった。
血漿検体を前向きに解析した場合、1次医療コホートではAPS2使用時のAUCは0.96(95%CI:0.94~0.98)、PPVは88%(95%CI:81~94)、NPVは90%(95%CI:84~96)、2次医療コホートではそれぞれ0.97(0.95~0.98)、91%(87~95)、91%(87~95)であった。
4つのコホートにおけるAPS2の診断精度は高かった(範囲:88~92%)。
1次医療の医師が臨床検査、認知機能検査およびCT検査により臨床的ADを同定する診断精度が61%(95%CI:53~69)であったのに対し、APS2は91%(95%CI:86~96)、認知症専門医による診断精度が73%(95%CI:68~79)であったのに対し、APS2は91%(95%CI:88~95)であった。
集団全体では、APS2の診断精度(90%、95%CI:88~92)は、%p-tau217のみを用いた診断精度(90%、95%CI:88~91)と差はなかった。
(医学ライター 吉尾 幸恵)
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