高リスク2型DM患者の降圧目標、120mmHg未満vs.140mmHg未満/NEJM

提供元:ケアネット

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公開日:2024/11/28

 

 心血管リスクを有する収縮期血圧(SBP)が高値の2型糖尿病患者において、目標SBPを120mmHg未満とする厳格治療は、140mmHg未満とする標準治療と比較して、主要心血管イベント(MACE)のリスクが低下したことが示された。中国・Shanghai Institute of Endocrine and Metabolic DiseasesのYufang Bi氏らBPROAD Research Groupが、中国の145施設で実施した無作為化非盲検評価者盲検比較試験「Blood Pressure Control Target in Diabetes:BPROAD試験」の結果を報告した。2型糖尿病患者におけるSBP管理の有効な目標値ははっきりとしていない。NEJM誌オンライン版2024年11月16日号掲載の報告。

主要アウトカムは、非致死的脳卒中・心筋梗塞、心不全入院/治療、心血管死の複合

 研究グループは、50歳以上の2型糖尿病患者で、SBP高値(降圧薬服用患者130~180mmHg、非服用患者140mmHg以上)および心血管疾患リスクが高い患者を、目標SBPを120mmHg未満とする厳格治療群または140mmHg未満とする標準治療群に無作為に割り付け、最長5年間治療を行った。

 主要アウトカムは、MACE(非致死的脳卒中、非致死的心筋梗塞、心不全による入院または治療、または心血管死の複合)とし、欠測の場合は多重代入法を用いて補完し解析した。

 2019年2月~2021年12月に、1万2,821例が登録された(厳格治療群6,414例、標準治療群6,407例)。患者背景は、5,803例(45.3%)が女性で、平均(±SD)年齢は63.8±7.5歳であった。

MACEの発生頻度は100人年当たり1.65 vs.2.09

 平均SBPは、厳格治療群および標準治療群でそれぞれベースラインでの140.0mmHg、140.4mmHgから、1年後は121.6mmHgおよび133.2mmHgに低下した。

 追跡期間中央値4.2年において、MACEは厳格治療群で393例(100人年当たり1.65件)、標準治療群で492例(同2.09件)に認められた(ハザード比:0.79、95%信頼区間:0.69~0.90、p<0.001)。

 重篤な有害事象の発現率は、厳格治療群36.5%、標準治療群36.3%であり、両群で同等であった。しかし、症候性低血圧および高カリウム血症の発現率は、厳格治療群と標準治療群でそれぞれ0.1% vs.0.1%未満、2.8% vs.2.0%であり、厳格治療群で高頻度に認められた。

(ケアネット)