外科医は器用?バズワイヤーゲームで評価/BMJ

提供元:ケアネット

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公開日:2025/01/09

 

 バズワイヤーゲーム(イライラ棒ゲーム)を用いた評価の結果、外科医は他の病院スタッフと比較して、手先が器用であったが不快な言葉を発する割合も高かった。一方、看護師および非臨床スタッフは、いら立ちの声を発する割合が高かった。英国・リーズ大学のTobin Joseph氏らが、前向き観察研究「Tremor研究」の結果を報告した。著者は、「病院スタッフの職種によって多様なスキルセットがあることが浮き彫りとなった。今後のトレーニングでは、器用さとストレス管理の両方を強化するためファミリーゲームを取り入れることが有用かもしれない。また、今後の募金活動では、外科医のswear jar(不快な言葉への罰金箱)の実施を検討すべきある」とまとめている。BMJ誌オンライン版2024年12月20日号掲載の報告。

バズワイヤーゲームを使用、器用さと併せてイライラ具合も評価

 研究グループは、2024年6月25日~7月16日の3週間、英国のリーズ教育病院NHSトラストにて参加者を募集し、バズワイヤーゲームを用いて手先の器用さを評価する前向き観察研究を行った。

 参加者は、内科医、外科医、看護師、非臨床スタッフ(病棟クラーク、秘書、内部職員など)であった。

 参加者は、金属ループが着いた棒を、曲がりくねった金属ワイヤーに触れないよう経路の端から端まで動かした。ループがワイヤーに触れた場合は、ブザーがなり、スタート地点に戻らなければならなかった。ゴールは、ブザーを鳴らさずにコース全体を完了することであった。

 主要アウトカムは、5分以内にバズワイヤーゲームを完了した参加者の割合、副次アウトカムは、英国のテレビで午後9時以前の放送には不適切と定義されている不快な言葉やため息、うめき声、つぶやきなどいら立ちの声を発した参加者の割合であった。

 計254人のスタッフが参加し、内訳は内科医60人、外科医64人、看護師69人、非臨床スタッフ61人であった。

外科医は、最も成功割合が高いが不快な言葉を発する割合も高い

 5分以内にバズワイヤーゲームを完了した参加者の割合は、外科医84%、内科医57%、看護師54%、非臨床スタッフ51%であり、外科医が有意に高かった(p<0.001)。イベント発生までの時間分析の結果、外科医は他の集団と比較して、年齢や性別に関係なく、バズワイヤーゲーム完了までの時間が最も短いことが示された。

 ゲーム中に不快な言葉を発した参加者の割合は、外科医が50%で最も高く、次いで看護師30%、内科医25%、非臨床スタッフ23%の順であった(p=0.004)。また、いら立ちの声を発した参加者の割合は非臨床スタッフが75%と最も高く、次いで看護師68%、外科医58%、内科医52%の順であった(p=0.03)。

(ケアネット)