過去5年間に生まれた周産期27週未満の早産児について調べたところ、生児出生の場合の生後1年後生存率が7割に上ることがわかった。そのうち45%は、主な新生児疾患が見られなかったという。これはスウェーデンLund大学のKarel Marsal氏らが行った研究、Extremely Preterm Infants in Sweden Study(EXPRESS)からの報告で、同試験は、2004~2007年に周産期27週未満に生まれた早産児1,000児超の、短期・長期アウトカムの評価を目的に行われた。今回の結果は、JAMA誌2009年6月3日号で発表された。
早産児のうち91%が、NICUで受療
同試験では、2004~2007年に、周産期22~26週で生まれた早産児、1,011児について追跡した。
周産期27週未満の早産発生率は、3.3/1,000児だった。早産児のうち91%が、新生児集中治療室(NICU)で治療を受け、1年後の生存率は70%に上った(95%信頼区間:67~73)。
死産は、追跡対象のうち304児だった。死産も含めた早産児全体の死亡率は、45%、死産はそのうち30%を占める。周産期別では、22週で生まれた場合の死亡率は93%だったが、26週では24%にとどまっていた。
1年生存率は22週早産から23週早産で大幅増
カプラン-マイヤー法による1年生存率の予測値は、周産期22週早産が9.8%(95%信頼区間:4~23)だったが、23週早産では53%(44~63)に上がり、24週で67%(59~75)、25週で82%(76~87)、26週では85%(81~90)だった。
新生児死亡率の低下に関連していたのは、出生前の子宮収縮抑制治療(オッズ比:0.43)や、ステロイド治療(0.44)、出生後2時間以内のサーファクタント治療(0.47)、より設備の整ったレベル3の病院での出産(0.49)となっていた。
(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)