新しい糖尿病治療薬、GLP-1受容体作動薬2剤の直接比較:LEAD-6

提供元:ケアネット

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公開日:2009/07/16

 



体重減少の促進作用が期待できる、新しい糖尿病治療薬GLP-1受容体作動薬liraglutideの有効性と安全性について、同じクラスのexenatideとの比較で検討した「LEAD-6」試験の結果が、Lancet誌2009年7月4日号(オンライン版2009年6月8日号)で報告された。本試験は、米国ノースカロライナ医科大学内分泌学部門のJohn B Buse氏らによる、15ヵ国が参加し26週間にわたって行われた、オープンラベルパラレル平行無作為化試験。試験の結果は、liraglutideのほうが有効性および安全性に優れるというものだった。

HbA1cの7%未満低下、liraglutide群がexenatide群の2.02倍




試験は、メトホルミンあるいはSU剤、もしくは両剤とも最高用量服用しても血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者(18~80歳)を対象とし行われた。

患者は、既存の経口剤治療によって層別化されたうえで、無作為に、liraglutide 1.8mg(1日1回)投与群(233例)と、exenatide 10μg(1日2回)投与群(231例)とに割り付けられた。

主要アウトカムは、HbA1cの変化とし、有効性についてintention to treat解析が行われた。

26週間でHbA1c値は、liraglutide群のほうが有意に低下した。liraglutide群対exenatide群(基線中央値:8.2%対8.1%)の低下は、-1.12%(SE:0.08)対-0.79%(0.08)、推定両群差は-0.33(95%信頼区間:-0.47~-0.18、p<0.0001)だった。

また、7%未満に低下した患者の数も、liraglutide群のほうがより多く、オッズ比2.02(95%信頼区間:1.31~3.11、p=0.0015)だった。

空腹時血糖値も、liraglutide群のほうがより大きく低下した。同-1.61mmol/L(SE:0.20)対-0.60mmol/L(0.20)、推定両群差は-1.01(95%信頼区間:-1.37~-0.65、p<0.0001)。しかし、食後血糖コントロール(朝・夕食後)には、liraglutideの有益性が見られなかった。

体重減少は同等、低血糖頻度はliraglutide群がexenatide群の約半分




体重減少は、両剤とも同等だった(liraglutide群-3.24kg対exenatide群-2.87kg。なお基線の体重中央値は93.1kg対93.0kg、BMI中央値は両群とも32.9)。

忍容性も両剤とも高かった。しかし、悪心はいずれの群でも見られ最初は同等だったが、liraglutide群のほうが徐々に減り、26週時点ではexenatide群との推定両群差は0.448(p<0.0001)となった。

軽度低血糖の発症は、liraglutide群とexenatide群の比較で25.5%対33.6%、1.93例対2.60例(/患者/年)、イベント比:0.55(95%信頼区間:0.34~0.88、p=0.0131)であった。なお本試験では、exenatideとSU剤を服用した患者2例で、重篤な低血糖が見られたことが報告されている。

Buse氏は、「1日1回服用のliraglutideのほうが、1日2回服用のexenatideより、より有意に血糖コントロールを改善した。忍容性も高かった。2型糖尿病で、特に体重減少と低血糖リスクを重点に置く場合、liraglutideが治療の選択肢になり得ることを示唆する結果が示された」と結論している。