非糖尿病高血圧患者の血圧コントロールも、より厳しく130mmHg未満を目標に:Cardio-Sis

提供元:ケアネット

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公開日:2009/08/27

 



非糖尿病高血圧患者の理想的な降圧目標レベルはまだわかっていない。イタリアHospital S Maria della MisericordiaのPaolo Verdecchia氏らの研究グループは、目標とすべき収縮期血圧値が、一般的な目標値と比較してより厳しいほうが、それら患者にとって有益であるとの仮説を検証する非盲検無作為化試験Cardio-Sisを行った。Lancet誌2009年8月15日号より。

目標血圧を140mmHg未満群と130mmHg未満群に無作為化し検討




Cardio-Sis(Studio Italiano Sugli Eff etti CARDIOvascolari del Controllo della Pressione Arteriosa SIStolica)試験は、イタリア国内にある44の施設で行われた。収縮期血圧が150mmHg以上の1,111例の非糖尿病高血圧患者を、目標収縮期血圧140mmHg未満の通常コントロール群(n=553)または130mmHg未満のタイトコントロール群(n=558)に無作為に、コンピュータのランダム化機能を利用し割り付けた。

評価者は無作為化について知らされないまま心電図を読み、イベントを判定した。降圧薬はオープンラベルとし、無作為化されたそれぞれの目標値を達成するために投与された。

主要エンドポイントは、無作為化2年後に心電図に現れた左心室肥大の割合とした。

心血管複合イベント発生率に有意差




追跡期間中央値2.0年(IQR:1.93~2.03)では、収縮期/拡張期血圧の平均値は、140mmHg群は23.5/8.9mmHg(SD:10.6/7.0)、130mmHg群は27.3/10.4mmHg(11.0/7.5)低下した。群間差は、収縮期血圧3.8mmHg(95%信頼区間:2.4~5.2、p<0.0001)、拡張期血圧1.5mmHg(同:0.6~2.4、p=0.041)だった。

主要エンドポイントの発生は、140mmHg群は483例中82例(17.0%)だったが、130mmHg群では484例中55例(11.4%)だった(オッズ比:0.63、95%信頼区間:0.43~0.91、p=0.013)。

心血管複合エンドポイントの発生は、140mmHg群で52例(9.4%)、130mmHg群は27例(4.8%)だった(ハザード比:0.50、95%信頼区間:0.31~0.79、p=0.003)。有害事象はほとんどなく、2群間で有意差はなかった。

研究グループはこれらの所見から、現在、非糖尿病高血圧患者に推奨されている目標値よりもさらにタイトな血圧コントールが推奨される根拠が得られたと結論している。