新生児における牛乳アレルギーの臨床的特徴

提供元:ケアネット

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公開日:2012/11/01

 

 牛乳アレルギー(CMA)を疑う食物関連症状の臨床的所見は、早産児であることや消化器外科手術のような根本的要因に影響を受けると報告された。昭和大学の宮沢氏らによる報告。

 CMAは新生児における消化器症状の原因の一つである。これまで、早期乳児期におけるIgEを介したアレルギー反応とCMAとの関連は示唆されているものの、臨床的所見と発症機序は確立していなかった。Allergol Int誌オンライン版 2012年10月25日号掲載報告。

 本試験は先行研究のフォローアップとして実施された。53施設の新生児集中治療室に第2弾のアンケートが送られ、患者背景、発症年齢、臨床的所見や臨床検査の結果が回収された。

主な結果は以下のとおり。

・出生体重中央値は2,614g、妊娠期間中央値は36.9週であった。
・症例のうち、40%で生後6日以内に症状が生じ、90%で消化器症状が生じた。主な消化器症状は、嘔吐、血便、腹部膨満であった。
・特異的IgE試験、リンパ球刺激試験、および糞便中好酸球検査は、それぞれ、88%、23%、55%で実施された。その結果、陽性率はそれぞれ30%、84%、75%であった。
・食物経口負荷試験(OFC)は確定診断のために26%で実施された。
・新生児でCMAを疑う食物関連症状の臨床所見は、一般的な即時型食物アレルギーとは異なり、早産児であることや消化器外科手術のような根本的要因に影響を受けた。

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(ケアネット 森 幸子)