大腸がん患者の生存率とウオーキングなどの活動時間との関連

提供元:ケアネット

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公開日:2013/02/06

 

 がんの治療中や治療後の運動が安全で忍容性があることは、ランダム化試験により報告されている。しかし、大腸がんにおけるレクリエーション的な身体活動(ウオーキング、ジョギング、テニス、サイクリングなど)と生存率の関連は明らかではない。米国のPeter T Campbell氏らは、大腸がん患者の身体活動時間と余暇を座って過ごす時間について、死亡率との関連を調査した。その結果、身体活動時間が長いと死亡率が低く、座って過ごす余暇時間が長いと死亡のリスクが高くなることを報告した。Journal of clinical oncology誌オンライン版2013年1月22日号に掲載。

 著者らは、1992~1993年のベースライン時に大腸がんではなかった成人の集団から、2007年半ばまでに侵襲的非転移性大腸がんと診断された2,293例を同定した。彼らに、がん診断前(ベースライン時)とがん診断後に、レクリエーション的な身体活動時間と座って過ごす余暇時間を含む詳細なアンケートを行った。

 主な結果は以下のとおり。

・大腸がん診断後の追跡期間中(最長16.1年)、846例が死亡し、うち大腸がんによる死亡は379例であった。
・レクリエーション的な身体活動が8.75 MET(metabolic equivalent)時間/週以上(ウオーキングに換算して約2.5時間/週以上)の群では、3.5MET時間/週以下の群に比べて、すべての原因による死亡率が低かった(診断前の身体活動:相対リスク[RR] 0.72、95%CI 0.58~0.89、診断後の身体活動:RR 0.58、95%CI 0.47〜0.71)。
・座って過ごす余暇時間が6時間/日以上の群では、3時間/日未満の群と比較して、すべての原因による死亡率が高かった(診断前の座っていた時間:RR 1.36、95%CI 1.10~1.68、診断後の座っていた時間:RR 1.27、95%CI 0.99~1.64)。

(ケアネット 金沢 浩子)