反復性片頭痛は肥満者で起こりやすく、この傾向はとくに50歳未満の若年者、白人、女性で強い関連性があることが、米国・ジョンズ・ホプキンス大学B Lee Peterlin 氏らの調査によって示された。Neurology誌2013年10月8日号掲載の報告。
調査対象は、国立併存疾患調査レプリケーション(NCS-R)において問診が行われた白人と黒人を含む3,862人の成人。目的は、反復性片頭痛と肥満の関連と、年齢・人種・性別の影響について調べることであった。反復性片頭痛については、国際頭痛分類に基づいて診断された。対象をBMI値によって、低体重(<18.5kg/m2)、標準体重(18.5~24.9kg/m2)、過体重(25~29.9kg/m2)、肥満(≧30kg/m2)の4群に分類した。反復性片頭痛の補正オッズ比と95%信頼区間の算出には、ロジスティック回帰分析を用いた。患者背景を年齢(50歳未満/50歳以上)、人種(白人/黒人)、性別(男/女)に階層化した。
主な結果は以下のとおり。
・合計188名が反復性片頭痛の診断基準を満たしており、反復性片頭痛のオッズ比は、標準体重群と比較し肥満群で81%高かった(オッズ比:1.81、95%信頼区間: 1.27~2.57、p=0.001)。
・標準体重、過体重、肥満群においては、特に体重が増加しつつある患者で反復性片頭痛が起こりやすいことがわかった(p=0.001)。
・トレンド検定の結果、標準体重群と比較し肥満群では以下の患者背景で有意に反復性片頭痛のオッズ比が上昇することがわかった。
1) 年齢:50歳未満(オッズ比:1.86、95%信頼区間:1.20~2.89、p=0.008)
2) 人種:白人(オッズ比:2.06、95%信頼区間:1.41~3.01、p≦0.001)
3) 性別:女性(オッズ比:1.95、95%信頼区間:1.38~2.76、p≦0.001 )
(ケアネット 岸田有希子)