放射線科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:2

高リスク頭頸部がん、術後化学放射線療法へのニボルマブ追加でDFS改善/Lancet

 切除後の再発高リスク局所進行頭頸部扁平上皮がん(LA-SCCHN)に対し、術後シスプラチン+放射線療法にニボルマブを追加することにより、中等度の毒性が増加するものの無病生存期間(DFS)が有意に改善された。スイス・ローザンヌ大学のJean Bourhis氏らが、欧州6ヵ国82施設で実施された、フランスの頭頸部がん放射線治療グループ(GORTEC)主導の無作為化非盲検第III相試験「GORTEC 2018-01 NIVOPOST-OP試験」の結果を報告した。シスプラチン+放射線療法は、高リスクLA-SCCHNに対する術後補助療法の標準治療であるが、ニボルマブ追加の有効性と安全性は不明であった。著者は、「ニボルマブ+シスプラチン+放射線療法は、新たな標準治療として提案可能である」とまとめている。Lancet誌オンライン版2025年12月22日号掲載報告。

乳がん検診の「高濃度乳房」通知、患者不安を助長する?/BMJ

 米国では食品医薬品局(FDA)がマンモグラフィ後の高濃度乳房の通知を全国的に義務付けており、オーストラリアなどでは乳がんスクリーニング時の高濃度乳房通知への移行が進められており、英国でも通知の導入が検討されているという。一方で、通知の影響は明らかになっておらず、スクリーニングレベルでの通知の有益性が、潜在的な有害性を上回るかどうかのエビデンスは不足しているとして、オーストラリア・シドニー大学のBrooke Nickel氏らは、通知された女性の心理社会的アウトカムおよび医療サービス利用の意向を多施設並行群間比較無作為化試験にて調べた。高濃度乳房を通知された女性は、不安や困惑が高まり、自身の乳房の健康状態に関する意思決定のための情報が十分ではないと感じており、かかりつけ医(GP)による指導を求めていることが明らかになったという。著者は、「高濃度乳房の通知を乳がんスクリーニングの一環とすることは、有害アウトカムとして、女性へのアドバイスにおけるGPのコンサルテーションの負荷を増やすことなどが考えられる」と述べている。BMJ誌2025年12月3日号掲載の報告。

『肝細胞癌診療ガイドライン』改訂――エビデンス重視の作成方針、コーヒー・飲酒やMASLD予防のスタチン投与に関する推奨も

 2025年10月、『肝細胞癌診療ガイドライン 2025年版』(日本肝臓学会編、金原出版)が刊行された。2005年の初版以降、ほぼ4年ごとに改訂され、今回で第6版となる。肝内胆管がんに独自ガイドラインが発刊されたことを受け、『肝癌診療ガイドライン』から名称が変更された。改訂委員会委員長を務めた東京大学の長谷川 潔氏に改訂のポイントを聞いた。  今版の構成上の変更点としては、「診療上の重要度の高い医療行為について、新たにシステマティックレビューを行わなくとも、明確な理論的根拠や大きな正味の益があると診療ガイドライン作成グループが判断した医療行為を提示するもの」については、Good Practice Statement(GPS)として扱うことにした。これにより既存のCQ(Clinical Question)の一部をGPSに移行した。

乳房切除後の胸壁照射、10年OSを改善せず/NEJM

 乳房切除術+現在推奨される補助全身療法を受けた中間リスクの早期乳がん患者において、胸壁照射は胸壁照射を行わない場合と比較し全生存期間(OS)を改善しないことが、第III相多施設共同無作為化試験「Selective Use of Postoperative Radiotherapy after Mastectomy:SUPREMO試験」で示された。英国・エディンバラ大学のIan H. Kunkler氏らが報告した。腋窩リンパ節転移が1~3個のpN1、あるいは病理学的リンパ節陰性のpN0に分類され、かつその他のリスク因子を有する乳がん患者に対する乳房切除術後の胸壁照射がOSに及ぼす影響は、現在推奨される周術期薬物療法下では不明であった。NEJM誌2025年11月6日号掲載の報告。

前立腺がん、PSA検診で死亡率低下:ERSPC長期追跡23年の評価/NEJM

 European Randomized Study of Screening for Prostate Cancer(ERSPC)試験は、PSA検査が前立腺がん死に及ぼす影響を評価するために、1993年から順次欧州8ヵ国が参加して行われた多施設共同無作為化試験。オランダ・ロッテルダム大学医療センターのMonique J. Roobol氏らERSPC Investigatorsは、その長期アウトカムの最新解析を行い、追跡期間中央値23年において、PSA検査勧奨を繰り返し受けているスクリーニング群は非勧奨(対照)群と比べて、前立腺がん死が持続的に減少し、harm-benefit比は改善していることを示した。NEJM誌2025年10月30日号掲載の報告。

心室頻拍に定位放射線治療が有効か

 標的となる部分に放射線を当てて治療する定位放射線治療(以下、放射線治療)が、危険性の高い不整脈の一種である心室頻拍に対する安全性の高い治療法になり得ることが、新たな研究で示された。米セントルイス・ワシントン大学医学部放射線腫瘍科のShannon Jiang氏らによると、放射線治療の効果は、標準的な治療法だが複雑な手術であるカテーテルアブレーションと同等であったという。また、放射線治療は、カテーテルアブレーションと比べて死亡や重篤な副作用が少ないことも示された。詳細は、「International Journal of Radiation Oncology, Biology, Physics」に9月29日掲載されるとともに、米国放射線腫瘍学会(ASTRO 2025、9月29日~10月1日、米サンフランシスコ)でも発表された。

初回マンモグラフィ非受診女性、乳がん死リスク増加/BMJ

 スウェーデン・カロリンスカ研究所のZiyan Ma氏らの研究チームは観察研究において、初回マンモグラフィの受診勧奨に応じず受診しなかった女性は、受診勧奨に応じ受診した女性と比較して、乳がん発見時の腫瘍の悪性度が高く長期的な乳がん死のリスクが顕著に増加しているが、乳がん発生率は同程度であることを示した。研究の成果は、BMJ誌2025年9月24日号で報告された。  研究チームは、初回マンモグラフィの受診勧奨に応じなかった女性における、その後の受診状況および乳がんのアウトカムを評価する目的で、住民ベースのコホート研究を実施した(スウェーデン研究会議などの助成を受けた)。

マンモグラフィの画像からAIモデルが心血管リスクを評価

 定期的なマンモグラフィ検査は、乳がんの早期発見に有効であるだけでなく、女性の心臓病リスクを正確に予測するのにも役立つ可能性があるようだ。マンモグラフィの画像から心血管疾患(CVD)リスクを予測する人工知能(AI)モデルの予測性能は、米国心臓協会(AHA)や他の専門家グループが開発したCVDイベントリスク予測方程式(Predicting Risk of Cardiovascular Disease Events;PREVENT)の予測性能と同等であることが、新たな研究で示された。ジョージ国際保健研究所(オーストラリア)で心血管プログラムのグローバルディレクターを務めているClare Arnott氏らによるこの研究結果は、「Heart」に9月16日掲載された。

小児・青年期の医用画像による被曝、血液がんリスクへの影響は?/NEJM

 小児・青年期における医用画像診断による放射線曝露は、わずかではあるが血液がんのリスク増加と有意に関連していることが、米国・カリフォルニア大学のRebecca Smith-Bindman氏らによる後ろ向きコホート研究「Risk of Pediatric and Adolescent Cancer Associated with Medical Imaging retrospective cohort study:RICコホート研究」で示された。小児・青年期における医用画像診断による放射線誘発性血液がんのリスクを評価することは、画像検査の実施に関する意思決定を支援することにつながる。NEJM誌2025年9月17日号掲載の報告。

前立腺がん診断、bpMRIは標準検査になりうる/JAMA

 前立腺がんが疑われる男性において、短縮化されたバイパラメトリックMRI(bpMRI)検査は、提供された画像の質が十分であれば標的生検の有無にかかわらず、前立腺がん診断の新たな標準検査となりうることを、英国・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのAlexander B.C.D. Ng氏らPRIME Study Group Collaboratorsが示した。生検の有無を問わない臨床的に重要な前立腺がんの診断では、マルチパラメトリックMRI(mpMRI)が検査の標準となっているが、リソースのキャパシティが広範な導入を妨げている。ガドリニウム造影剤を使用しないbpMRIは、より短時間かつ安価な代替法で、世界中の医療システムにとって時間短縮によりキャパシティが改善される。著者は、「世界では年間400万件の前立腺MRI検査が行われていることから、bpMRIは、世界中の検査処理能力を大幅に増強しかつコスト削減を可能とするだろう」とまとめている。JAMA誌オンライン版2025年9月10日号掲載の報告。