呼吸器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:21

オシメルチニブ耐性肺がんに対するamivantamab+化学療法はPD後も生存ベネフィットを示す(MARIPOSA-2)/ELCC2024

 amivantamab+化学療法は化学療法単独と比べ、オシメルチニブ耐性のEGFR変異陽性進行非小細胞肺がん(NSCLC)の治療進行後の有意な生存ベネフィットを示した1)。  MARIPOSA-2試験における、amivantamabと化学療法の併用はオシメルチニブ耐性EGFR変異陽性NSCLC の無増悪生存期間 (PFS)を有意に延長している。MARIPOSA-2試験における、amivantamabと化学療法の併用はオシメルチニブ耐性EGFR変異陽性NSCLC の無増悪生存期間 (PFS)を有意に延長している。

ALK陽性非小細胞肺がんの術後補助療法、アレクチニブvs.化学療法/NEJM

 切除可能なStageIB~IIIAのALK融合遺伝子陽性非小細胞肺がん(NSCLC)の術後補助療法として、アレクチニブはプラチナ製剤ベースの化学療法と比較し無病生存期間(DFS)を有意に改善した。中国・南方医科大学のYi-Long Wu氏らALINA Investigatorsが、日本を含む26ヵ国の113施設で実施した国際共同無作為化非盲検第III相試験「ALINA試験」の結果を報告した。切除可能なALK融合遺伝子陽性NSCLC患者の術後補助療法はプラチナ製剤ベースの化学療法が標準治療であるが、化学療法と比較したアレクチニブの有効性および安全性についてはデータが不足していた。NEJM誌2024年4月11日号掲載の報告。  研究グループは、18歳以上で抗がん剤による全身療法歴のない切除可能なStageIB(腫瘍≧4cm)、II、またはIIIA(UICC/AJCC第7版に基づく)のALK融合遺伝子陽性NSCLC患者を、アレクチニブ群(600mgを1日2回、24ヵ月間または再発・容認できない毒性発現まで経口投与)またはプラチナ製剤ベースの化学療法群(1サイクル21日として最大4サイクル静脈内投与)に、1対1の割合で無作為に割り付けた。

進行肺がん、初診から治療までの待機期間が治療効果に影響/日本呼吸器学会

 肺がん治療において、初診から治療開始までの時間が長くなるほど悪液質の発症率は増加し、さらに悪液質があると治療効果が低下すると示唆された。  悪液質は進行がんの50〜80%に合併し、がん死亡の20〜30%を占める予後不良な病態であるため、早期からの介入が重要である。肺がんでは、治療が進化する一方、病期診断、病理学的診断に加え、遺伝子変異の有無やPD-L1の発現率などの専門的検査が必要となり、初診から確定診断・治療開始までに一定の期間が必要となる。

日本人の喘息患者に睡眠時無呼吸が多く見られる

 日本人の喘息患者を対象に、閉塞性睡眠時無呼吸(obstructive sleep apnea;OSA)の合併および臨床転帰を検討する研究が行われた。その結果、OSAの合併率は高く、特に重症OSAを有する人ほど喘息のコントロールや症状が悪いことが明らかとなった。これは川崎医科大学呼吸器内科学の小賀徹氏らによる研究結果であり、「Allergology International」に2月9日掲載された。著者らは、「喘息とOSAの合併は過小評価されている」として、臨床転帰を改善するためのOSAのスクリーニングを推奨している。  睡眠中に気道が閉塞することにより呼吸停止が起こるOSAでは、夜間のいびきや日中の眠気など、さまざまな症状が生じる。OSAのリスク因子の1つに肥満があるが、OSAは肥満のない人でも発症する。特に日本人は欧米人と比べてBMIが低いにもかかわらず、OSAの有病率は米国と日本で同程度と報告されている。

日本のCOPD患者、残存する症状への治療強化の少なさが課題?/AZ

 アストラゼネカは2024年4月8日付のプレスリリースにて、多施設共同前向き観察研究「EBISU study」および後ろ向き観察研究「REMIND study」の2つの結果を2024年4月5~7日に開催された第64回日本呼吸器学会学術講演会で報告したことを発表した。  日本の多施設共同前向き観察研究であるEBISU studyにおいて、慢性閉塞性肺疾患(COPD)治療配合剤であるビレーズトリエアロスフィアが、喘息合併あるいは喘息既往のないCOPD患者の症状やQOLを12週間で改善させたという結果が示された。

新型コロナが世界の死因の第2位に(GBD 2021)/Lancet

 米国・ワシントン大学のMohsen Naghavi氏らGBD 2021 Causes of Death Collaboratorsは、「世界疾病負担研究(GBD)」の最新の成果としてGBD 2021の解析結果を報告した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行により、長期にわたる平均余命の改善や多くの主要な死因による死亡の減少が妨げられ、このような悪影響が地域によって不均一に広がった一方、COVID-19の流行にもかかわらず、いくつかの重要な死因の減少には継続的な進展がみられ、世界的な平均余命の改善につながったことが明らかとなった。研究の詳細は、Lancet誌オンライン版2024年4月3日号に掲載された。

特発性間質性肺炎の指定難病・診断基準改訂、外科的肺生検なしでも診断可能に/日本呼吸器学会

 間質性肺疾患は、2022年の日本人の死因の第11位となっており、対策の必要な疾患である。特発性間質性肺炎(IIPs)は、特発性肺線維症(IPF)を代表疾患とする原因不明の間質性肺炎の総称で、国の指定難病となっている。2024年4月より、本疾患の厚生労働省の診断基準および重症度分類基準が改訂され、蜂巣肺を伴わないIPFやIPF以外のIIPsでも外科的肺生検なしで認定可能になるなど大きな変更があった。そこで、第64回日本呼吸器学会学術講演会のランチョンセミナーにおいて、千葉 弘文氏(札幌医科大学医学部 呼吸器・アレルギー内科学講座 教授)が診断基準および重症度分類基準の改訂のポイントを解説した。

非高リスクコロナ患者、ニルマトレルビル・リトナビルvs.プラセボ/NEJM

 重症化リスクが高くない症候性の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)成人外来患者において、COVID-19のすべての徴候または症状の持続的な緩和までの期間は、ニルマトレルビル/リトナビルとプラセボで有意差は認められなかった。米国・ファイザーのJennifer Hammond氏らが、無作為化二重盲検プラセボ対照第II/III相試験「Evaluation of Protease Inhibition for COVID-19 in Standard-Risk Patients trial:EPIC-SR試験」の結果を報告した。ニルマトレルビル/リトナビルは、重症化リスクがある軽症~中等症COVID-19成人患者に対する抗ウイルス治療薬であるが、重症化リスクが標準(重症化リスク因子のないワクチン未接種者)または重症化リスク因子を1つ以上有するワクチン接種済みの外来患者における有効性は確立されていなかった。NEJM誌2024年4月4日号掲載の報告。

肺がん化学放射線療法の症例データベース検索システムを共同開発/富士フイルム・AZ

 富士フイルムとアストラゼネカは、切除不能Stage III非小細胞肺がん(NSCLC)の化学放射線療法(CRT)の過去症例を検索できるシステムを共同開発した。富士フイルムは、この検索機能を3D画像解析システム「SYNAPSE VINCENT Ver7.0」にオプション機能として搭載した。SYNAPSE VINCENT Ver7.0は富士フイルムメディカルを通じて4月10日より提供を開始した。  今回開発したシステムは両社が2021年から共同で開発を進めてきた医療情報システムで、切除不能Stage III NSCLCに対するCRT症例の検索に加え、放射線治療計画の表示が可能。アストラゼネカが14の医療機関からNSCLCに対するCRT適用例1,900症例の放射線治療計画を収集し、富士フイルムがデータベース化および検索機能の開発を行った。

アレクチニブ1次治療肺がん患者のリアルワールドデータ(ReAlec)/ELCC2024

 アレクチニブの1次治療を受けたALK陽性非小細胞肺がん(NSCLC)患者の特徴と、後治療のリアルワールドデータが示された。  ALK陽性進行NSCLCに対するアレクチニブの1次治療は優れた有用性を示す。しかし、アレクチニブ後の治療シークエンスについては十分な知見がない。ReAlec試験はアレクチニブ治療患者の特徴をリアルワールドで確認する後ろ向き多施設コホート観察研究である。欧州肺がん学会(ELCC2024)では、イタリア・サクロ クオーレ カトリック大学のEmilio Bria氏が、アレクチニブの1次治療患者を対象としたReAlec試験コホート1(データカットオフ2023年5月10日)の初回中間解析結果を報告した。