泌尿器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:18

超音波とMRIによる新治療法が前立腺がん治療に革命を起こす?

 従来の放射線療法と手術ではなく、MRIと超音波を用いた侵襲性の極めて低い新たな治療法(タルサ治療)が、前立腺がんを効果的に治療することを示した研究結果が報告された。この治療を受けた患者の76%は、1年後の追跡生検でがん細胞が見つからなかったという。米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)デイビッド・ゲフィン医学部放射線科、泌尿器科、外科分野教授のSteven Raman氏らによるこの研究結果は、インターベンショナルラジオロジー学会(SIR 2024、3月23〜28日、米ソルトレークシティ)で発表された。

同性カップルの遺伝子を受け継ぐ子どもも夢ではない?

 マウスの皮膚細胞の核を、核を取り除いた別のマウスの卵子に移植して染色体を操作し、人工授精を行うことで、皮膚提供マウスと精子提供マウスの遺伝子を受け継いだ胚を作り出せることが示された。この技術は、加齢やがん治療などが原因で健康な卵子を産生できない女性に役立つ可能性があるだけでなく、同性カップルでも両者の遺伝子を受け継ぐ子どもを持てる日が来る可能性のあることを意味する。米オレゴン健康科学大学(OHSU)胚細胞・遺伝子治療センターのShoukhrat Mitalipov氏らによるこの研究結果は、「Science Advances」に3月8日掲載された。

メトホルミンのがんリスク低減、がん種別では?~166研究のメタ解析

 メトホルミンは、糖尿病管理のほかにがんリスクを低下させる可能性が報告されている。今回、米国・国立がん研究所(NCI)のLauren O'Connor氏らが、メトホルミン使用とがんリスクの関連を包括的系統的レビューとメタ解析により検討した。その結果、消化器がん、泌尿器がん、血液腫瘍のリスク低下との関連が示唆された。しかしながら、有意な出版バイアスがみられたことから信頼性には限界があるという。Journal of the National Cancer Institute誌2024年4月号に掲載。

約20年ぶりの下部尿路症状の疫学調査、その結果は?

 本邦では、2002年に下部尿路症状(LUTS)に関する初めての疫学調査が実施され、過活動膀胱(OAB)の有病率などが報告された。当時の調査の結果では、40歳以上の男女のうち12.4%がOABに該当するとされ、加齢に伴いその割合は高くなったと報告されていた。また、40歳以上でOAB症状を有する人は、全国で約1,000万人と推計されていた。それ以降は本邦で大規模な疫学調査は行われていなかったが、日本排尿機能学会の前身である神経因性膀胱研究会が発足されてから50年の節目となる2023年において、現在の日本国内のLUTSの有病率と日常生活への影響を明らかにすることを目的として約20年ぶりの疫学調査が実施された。その結果は山梨大学の三井 貴彦氏らにより、International Journal of Urology誌オンライン版2024年3月21日号で報告された。

前立腺がん放射線療法後6ヵ月のPSA最低値が予後と関連/JCO

 放射線療法(RT)±アンドロゲン除去療法(ADT)を受けた限局性前立腺がん患者において、RT終了後6ヵ月間の前立腺特異抗原(PSA)最低値が長期予後と関連することが示唆された。イタリア・Catholic UniversityのLucia Kwak氏らによるJournal of Clinical Oncology誌オンライン版2024年3月12日号掲載の報告より。  著者らは、RT単独、RT+短期(3~6ヵ月)ADT、RT+長期(24~36ヵ月)ADTを受けた限局性前立腺がん患者における、RT終了後6ヵ月間のPSA値が予後に及ぼす影響を評価する目的で、1987~2011年に実施された16の無作為化比較試験から個々の患者データを入手。RT終了後6ヵ月以内に記録されたPSA最低値を同定し、<0.1ng/mLまたは≧0.1ng/mLに分類した。

がん罹患数が著増、がん死は減少~英国の25年/BMJ

 英国の年齢35~69歳の集団では、1993~2018年の25年間にがん罹患数が大きく増加したのに対し、がんによる死亡率は減少しており、この減少にはがんの予防(喫煙防止策、禁煙プログラムなど)と早期発見(検診プログラムなど)の成功とともに、診断検査の改善やより有効性の高い治療法の開発が寄与している可能性があることが、英国・Cancer Research UKのJon Shelton氏らの調査で明らかとなった。研究の成果は、BMJ誌2024年3月13日号に掲載された。

ソーシャルワーカーの介入、HIV患者の退院後の受診改善/JAMA

 入院中のHIV感染患者への介入として、強化された標準ケアと比較して、退院後のHIVクリニックへの受診を促す連携型の患者管理(linkage case management)による介入は、退院後の死亡率を改善しないものの、受診までの期間を短縮し、抗レトロウイルス療法(ART)のアドヒアランスやウイルス量が抑制された患者の割合を改善することが、米国・Weill Cornell MedicineのRobert N. Peck氏らが実施した「Daraja試験」で示された。研究の成果は、JAMA誌オンライン版2024年3月6日号で報告された。

未治療尿路上皮がん、エンホルツマブ ベドチン+ペムブロリズマブがOS・PFS改善(EV-302/KEYNOTE-A39)/NEJM

 局所進行または転移を有する尿路上皮がん患者の1次治療において、エンホルツマブ ベドチン(nectin-4に対する抗体薬物複合体)とペムブロリズマブ(PD-1阻害薬)の併用は化学療法と比較して、無増悪生存期間(PFS)と全生存期間(OS)が有意に延長し、臨床的に意義のある有益性を示し、安全性プロファイルは既報と一致することが、英国・Queen Mary University of LondonのThomas Powles氏らが実施した「EV-302試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌2024年3月7日号に掲載された。

B7-H3標的ADCのI-DXd、固形がんへの有効性・安全性は?/日本臨床腫瘍学会

 既治療の進行・転移固形がん患者を対象として、抗B7-H3(CD276)抗体薬物複合体ifinatamab deruxtecan(I-DXd;DS-7300)の有用性が検討されている。第I/II相試験(DS7300-A-J101)の小細胞肺がん(SCLC)、食道扁平上皮がん(ESCC)、去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)、扁平上皮非小細胞肺がん(sqNSCLC)における最新結果が、第21回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2024)において、土井 俊彦氏(国立がん研究センター 先端医療開発センター長)により報告された。  B7-H3は免疫関連分子であり、多くの固形がんで発現が認められるが、正常組織では発現しないか非常に低発現であると報告されている。また、B7-H3が高発現であると、予後が不良であることも報告されている1,2)。I-DXdは、国内で製造販売承認を取得しているトラスツズマブ デルクステカン(商品名:エンハーツ)と同じリンカーとペイロードを用いた製剤である。

進行固形がんのリキッドバイオプシーにおける偽陽性/日本臨床腫瘍学会

 血漿検体を用いて遺伝子のシークエンス解析を行うリキッドバイオプシーはがん治療で広く用いられている。血漿中にはがん由来のDNAと共に血液由来のDNAも存在するが、通常は結果に影響しない。しかし、加齢などにより、遺伝子異常を持った血液細胞が増殖するクローン性造血(CH)が起こり、これらをがん由来の遺伝子異常と判断することで起こる偽陽性が懸念されている。