泌尿器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:16

スコアに基づくコロナ罹患後症状の定義を提案した論文報告(解説:寺田教彦氏)

新型コロナウイルス感染症罹患後、数週間から数ヵ月にわたってさまざまな症状が続くことがあり、海外では「long COVID」や「postacute sequelae of SARS-CoV-2 infection:PASC」、本邦では新型コロナウイルス感染症の罹患後症状と呼称されている。世界各国から報告されているが、この罹患後症状の明確な診断基準はなく、病態も判明しきってはいない。WHOは「post COVID-19 condition」について、新型コロナウイルス感染症に罹患した人で、罹患後3ヵ月以上経過しており、少なくとも2ヵ月以上症状が持続し、他の疾患による症状として説明がつかない状態を定義しており(詳細はWHO HP、Coronavirus disease (COVID-19): Post COVID-19 condition.[2023/06/18最終確認]を参照)、本邦の「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 別冊 罹患後症状のマネジメント 第2.0版」でも引用されている。

HIVの2次治療、ドルテグラビルへの切り替えは可能か?/NEJM

 既治療のヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染患者で、薬剤耐性変異の有無に関するデータがなく、ウイルス抑制下にある患者において、リトナビルブーストプロテアーゼ阻害薬(PI)ベースのレジメンからドルテグラビルへの切り替えは、リトナビルブーストPIを含むレジメンに対して非劣性であることが、ケニア・ナイロビ大学のLoice A. Ombajo氏らが同国4施設で実施した多施設共同無作為化非盲検試験の結果で示された。遺伝子型の情報がなく、リトナビルブーストPIを含む2次治療でウイルスが抑制されているHIV感染患者において、ドルテグラビルへの切り替えに関するデータは限られていた。NEJM誌2023年6月22日号掲載の報告。

勃起不全治療用のゲル剤、米FDAがOTC製品として販売承認

 米食品医薬品局(FDA)は6月9日、22歳以上の男性向けの勃起不全治療用ゲル剤MED3000(商品名Eroxon)に対して、処方箋を必要としないOTC製品としての販売を初めて承認した。これにより、勃起不全を抱える男性は、症状の治療に外用ゲル剤を使用するという選択肢を持てるようになる。  同製品を製造する英フューチュラ・メディカル社のCEOであるJames Barder氏は、ニュースリリースの中で、「FDAは、新規医療製品の有効性と安全性を評価する際に、非常に高い基準を設けている。われわれがその基準を満たしたことをうれしく思う」と述べている。

シスプラチン不適格尿路上皮がんに対するエンホルツマブ ベドチン+ペムブロリズマブの長期追跡結果(EV-103)/ASCO2023

 シスプラチン不適格の局所進行または転移を有する尿路上皮がんに(UC)対する1次治療としての、エンホルツマブ・ベドチン(EV)とペムブロリズマブ(Pem)の併用療法のフォローアップに関する報告が、米国・Taussig Cancer InstituteのShilpa Gupta氏から、米国臨床腫瘍学会年次総会(2023 ASCO Annual Meeting)でなされた。  第Ib/II相のEV-103試験における、用量漸増コホートと(5例)と拡大コホートA(40例)合計45例の、追跡期間中央値47ヵ月の解析結果である。

腎細胞がん、ニボルマブ+イピリムマブによるアジュバント療法のサブグループ解析(CheckMate 914)/ASCO2023

 未治療の進行期腎細胞がん(RCC)に対するニボルマブ+イピリムマブ療法は、長期にわたる有効性と忍容性が報告されている。一方、術後RCCにおいて同レジメンのアジュバント療法を評価するCheckMate 914試験(PartA)では、無病生存期間(DFS)への恩恵は示されていない。  米国臨床腫瘍学会年次総会(2023 ASCO Annual Meeting)では、この理由を明らかにするため、CheckMate 914試験(PartA)のサブグループ解析について、米国・メモリアルスローンケタリングがんセンターのRobert J. Motzer氏が発表した。

女性と50歳未満、睡眠不足が夜間頻尿リスクに/ながはまスタディ

 夜間頻尿と睡眠不足の相互の関連を日本人コホートにおける5年間の縦断研究で調べたところ、夜間頻尿は男女とも睡眠不足発症に関連していたが、睡眠不足は女性と50歳未満でのみ夜間頻尿発症と関連していたことを、筑波大学の根来 宏光氏らが報告した。Scientific Reports誌2023年6月11日号に掲載。  本研究では、ながはまスタディ(滋賀県長浜市における集団ベースの縦断的健康調査)の参加者8,076人(年齢中央値57歳、男性31.0%)を対象に、夜間頻尿と自己申告による睡眠不足の関連を横断的に評価した。また、5年後にそれぞれの新規発症例に対する因果関係を縦断的に分析した。

がん遺伝子検査、よく受けるがん種・人種は?/JAMA

 米国・スタンフォード大学のAllison W. Kurian氏らは、2013~19年に同国カリフォルニア州とジョージア州でがんと診断された患者のうち、生殖細胞系列遺伝子検査を受けた患者の割合が6.8%とごくわずかであり、非ヒスパニック系白人に比べ、黒人、ヒスパニック系、アジア系の患者ではより低いことを示した。同検査は遺伝性のがんリスクを明らかにし、遺伝学的な標的治療を可能にすることで、がん患者の生存率を向上させるが、米国ではどのくらいの患者が受けているかは、これまで知られていなかった。研究の成果は、JAMA誌オンライン版2023年6月5日号で報告された。

腎細胞がん1次治療のペムブロリズマブ+アキシチニブ、5年超追跡でも生存改善を維持(KEYNOTE-426)/ASCO2023 

 進行再発の淡明細胞型腎細胞がん(RCC)に対する1次治療としてのペムブロリズマブとアキシチニブの併用療法は、5年間以上の追跡結果においても有用性が確認できた。米国臨床腫瘍学会年次総会(2023 ASCO Annual Meeting)で、米国・Vanderbilt-Ingram Cancer CenterのBrian I. Rini氏が発表したKEYNOTE-426試験の結果である。  KEYNOTE-426は国際共同非盲検第III相試験であり、ペムブロリズマブとアキシチニブによるRCCの有意な生存延長を報告している。今回は60ヵ月以上の追跡期間(中央値67.2ヵ月)の最終結果報告となる。

進行腎細胞がん、免疫チェックポイント阻害薬の再投与は有効か/Lancet

 免疫チェックポイント阻害薬の投与中または投与後に病勢が進行した腎細胞がん患者の治療において、免疫チェックポイント阻害薬アテゾリズマブとチロシンキナーゼ阻害薬カボザンチニブの併用療法はカボザンチニブ単独療法と比較して、無増悪生存期間(PFS)および全生存期間(OS)を改善せず、重篤な有害事象が増加したことが、米国・シティ・オブ・ホープ総合がんセンターのSumanta Kumar Pal氏らが実施した「CONTACT-03試験」で示された。研究の詳細は、Lancet誌オンライン版2023年6月5日号に掲載された。

mCRPCの1次治療、エンザルタミド+talazoparibでrPFS改善/Lancet

 転移のある去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)患者の1次治療において、PARP阻害薬talazoparibとアンドロゲン受容体阻害薬エンザルタミドとの併用療法は、標準治療のエンザルタミド単独療法と比較し、臨床的に意味のある統計学的に有意な画像上の無増悪生存期間(rPFS)の改善をもたらしたことが示された。米国・ユタ大学のNeeraj Agarwal氏らが、26ヵ国(北米、欧州、イスラエル、南米、南アフリカ、アジア太平洋地域)の223施設で実施した第III相無作為化二重盲検プラセボ対照試験「TALAPRO-2試験」の結果を報告した。PARPとアンドロゲン受容体活性の両方を阻害することは、相同組換え修復(HRR)に関与するDNA損傷修復遺伝子変異の有無にかかわらず、抗腫瘍効果が得られる可能性があった。Lancet誌オンライン版2023年6月4日号掲載の報告。