救急科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:1

市中敗血症への抗菌薬、4日目からde-escalationは可能?

 市中発症敗血症で入院し、多剤耐性菌感染が確認されていない患者において、入院4日目から広域抗菌薬のde-escalationを実施しても、広域抗菌薬継続と比較して90日死亡率に差は認められず、抗菌薬使用日数および入院期間の短縮と関連していたことが報告された。米国・ミシガン大学のAshwin B. Gupta氏らが、本研究結果をJAMA Internal Medicine誌オンライン版2025年12月22日号で報告した。  研究グループは、Michigan Hospital Medicine Safety Consortium(HMS)のデータを用いて、抗メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)薬および抗緑膿菌(PSA)薬のde-escalationの影響をtarget trial emulationの手法で検討した。対象は、2020年6月~2024年9月に入院し、広域抗菌薬によるエンピリック治療を開始した18歳以上の市中発症敗血症患者とした。

餅などによる気道閉塞、腹部突き上げ法と背部叩打法の有効性~MOCHI研究班

 お正月は餅を食べる機会が多く、餅による窒息の初期対処法をいま一度確認しておきたい。日本医科大学の五十嵐 豊氏らが、餅などの異物による気道閉塞患者に対して腹部突き上げ法もしくは背部叩打法による初期対応を実施する場合の有効性を介入なしの場合と比較したところ、いずれの方法も介入なしと比べて有意に良好な神経学的転帰と関連し、さらに背部叩打法は生存率改善とも関連していたことが示された。Resuscitation Plus誌2025年9月号に掲載。

医師以外も投与可能な抗けいれん薬、スピジア点鼻液発売/アキュリスファーマ

 国内初となるジアゼパムの鼻腔内投与製剤の抗けいれん薬であるジアゼパム点鼻薬が2025年12月24日に発売された(製造販売元:アキュリスファーマ、販売情報提供活動:ヴィアトリス製薬)。本剤の効能効果は「てんかん重積状態」の改善であり、2歳以上のてんかん重積状態およびてんかん重積状態に移行する恐れのある発作(遷延性の発作や群発発作)が生じたときに投与する。医療機関外において医療者や介護者による投与が可能なレスキュー薬だが、「2歳以上6歳未満の小児へ投与する場合は、患者の状態を観察することができ、必要時に救急蘇生のための医療機器、薬剤等の使用が可能な医師の監視下においてのみ行うこと」「救急救命士による処置としての投与は認められていない」などの点には注意が必要である。

心原性ショックへのlevosimendan、ECMO離脱を促進せず/JAMA

 静脈-動脈体外式膜型人工肺(VA-ECMO)による管理を受けている重篤だが可逆性の心原性ショック患者の治療において、強心血管拡張薬levosimendanの早期投与はプラセボと比較して、ECMO離脱までの時間を短縮せず、集中治療室(ICU)入室期間や60日死亡率に差はないが、心室性不整脈の頻度が高いことが、フランス・ソルボンヌ大学のAlain Combes氏らLEVOECMO Trial Group and the International ECMO Network(ECMONet)が実施した「LEVOECMO試験」で示された。研究の成果は、JAMA誌オンライン版2025年12月1日号で報告された。

雷雨の日には喘息関連の救急外来受診が増える

 雷雨の最中や直後に喘息症状が急増する現象は、雷雨喘息と呼ばれている。この現象について検討した新たな研究で、雷雨の日には、実際に喘息関連の救急外来(ED)受診が大幅に増加することが示された。米カンザス大学医療センターのDiala Merheb氏らによるこの研究結果は、米国アレルギー・喘息・免疫学会年次学術会議(ACAAI 2025、11月6〜10日、米オーランド)で発表された。Merheb氏は、「これらの結果は、米国においても、雷雨が喘息患者に深刻な健康リスクをもたらす可能性があることを裏付けている」と述べている。

急性心房細動患者への薬物的除細動、vernakalant vs.プロカインアミド/BMJ

 急性心房細動患者の洞調律への迅速な復帰に関する薬物療法を直接比較した無作為化試験において、新薬であるvernakalantはプロカインアミドよりも復帰率が高く迅速な点で優れることが示された。カナダ・オタワ大学のIan G. Stiell氏らが「RAFF4試験」の結果を報告した。急性心房細動を呈し救急外来を受診した患者(一般的に発症から48時間以内)に対して、カナダの救急医の多くが薬物療法または電気的療法による除細動を行うが、古くて効果が限定的な薬物のプロカインアミドを用いることが多いという。今回の結果を踏まえて著者は、「vernakalantは急性心房細動患者の迅速な洞調律復帰と退院のために、安全で有効性が高い静脈内投与薬となりうるものである」とまとめている。BMJ誌2025年11月11日号掲載の報告。

家族の録音メッセージがICU入室患者のせん妄を防ぐ

 人工呼吸器を装着している集中治療室(ICU)入室患者では、5人中4人にせん妄が生じる。せん妄とは、治療による体への負担が原因で生じる異常な精神状態のことをいい、パニック、動揺、怒りなどの症状が現れる。新たな研究で、ICU入室患者に家族からの録音メッセージを聞かせることで、患者の意識を安定させ、せん妄を予防できる可能性のあることが明らかになった。米マイアミ大学看護健康学部のCindy Munro氏らによるこの研究結果は、「American Journal of Critical Care」に11月1日掲載された。

急増するナッツ類アレルギー、近年はより少ない量で発症の傾向/国立成育医療研究センター

 近年、日本では木の実(ナッツ類)アレルギーの有病率が急速に増加しており、とくに、クルミアレルギーの有病率は2014年と比較して4倍以上増加し、比較的安定しているピーナッツを上回ったという。現在、ナッツ類は日本において卵に続いて2番目に多い食物アレルギーの原因となっている。  国立成育医療研究センターの久保田 仁美氏らの研究チームは、日本における直近10年間に発生したナッツ類アレルギー症例の調査結果から、近年ではより少ない摂取量でアレルギー症状が出ることが判明したことを報告した。

アナフィラキシー、日本の小児で急増している原因食物は

 2010年代後半以降、日本におけるクルミによるアナフィラキシーの発生率は急速に増加しており、とくに初回発症の幼児で顕著であることが明らかになった。世界的にクルミアレルギーの有病率が増加しているものの、クルミによるアナフィラキシーの発生動向や臨床的特徴については明らかになっていない。町田市民病院のYuna Iwashita氏らは、2011年から11年間の日本国内の小児救急外来におけるクルミによるアナフィラキシーの発生率の変化を評価し、患者の特性および症状について検討した。Pediatric Allergy and Immunology誌11月号掲載の報告。

へき地の在宅医療の利用実態が判明/頴田病院・横浜市立大

 わが国では、急激な高齢化と地方での医療者の不足により医療の地域偏在が問題となって久しい。では、実際にこの偏在、とくに在宅医療の利用について、地域格差はどの程度あるのであろうか。この問題について、柴田 真志氏(頴田病院)と金子 惇氏(横浜市立大学大学院データサイエンス研究科)の研究グループは、レセプトデータを用いて、在宅医療利用の地域格差を調査した。その結果、日本全国で在宅医療の利用率に数十倍の地域格差が存在することがわかった。この結果は、Journal of General Internal Medicine誌2025年10月30日オンライン版で公開された。