アレルギー科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:11

デュピクセント、日本人小児アトピー性皮膚炎患者に対し主要評価項目達成/サノフィ

 サノフィは2022年6月14日付のプレスリリースで、同社のデュピクセント(一般名:デュピルマブ)について、生後6ヵ月から18歳未満の日本人アトピー性皮膚炎患者を対象とした第III相試験の結果を発表した。本試験における主要評価項目EASI-75の達成割合は、プラセボ投与群と比較してデュピクセント投与群で有意に高く、小児アトピー性皮膚炎の症状軽減に対する同製剤の有効性が示された。安全性データは、これまでのデュピクセントの安全性プロファイルと一致していた。  中等症から重症のアトピー性皮膚炎患者は、ステロイド外用剤(TCS)やタクロリムス外用剤による適切な治療を一定期間実施しても十分な効果が得られず、高頻度かつ長期間の再燃が認められる場合がある。しかし、若年層では治療選択肢が限られており、アンメットニーズが存在している。

モデルナアームが発現しやすい人は?/自衛隊中央病院

 モデルナ社の新型コロナワクチン(mRNA-1273ワクチン、商品名:スパイクバックス筋注)接種により一時期話題となった「モデルナアーム」。このモデルナアームの原因が遅発性大型局所反応(DLLR:delayed large local reaction)と言われるも詳細は不明であった。しかし、今回、自衛隊中央病院皮膚科の東野 俊英氏らはDLLRがIV型アレルギーを原因として生じるアレルギー性接触皮膚炎に類似している可能性があること、女性は男性より5.3倍も発症しやすいことなどを突き止めた。このようにモデルナアームの原因や発症しやすい対象者が特定できれば、今後、この副反応を回避する対応ができそうだ。本研究はJAMA Dermatology誌オンライン版2022年6月1日号に掲載されたほか、自衛隊中央病院のホームページでも報告している。

乾癬治療、中止後再発までの期間はIL-23阻害薬が最も長い

 乾癬における全身性治療薬の、投与中止後の再発までの期間について、フランス・CHU PoitiersのMarie Masson Regnault氏らがシステマティックレビューの結果、生物学製剤は経口全身性薬剤よりも、中止後の再発までの期間が長いこと、生物学的製剤の中ではIL-23阻害薬が再発までの期間が最も長かったことを明らかにした。乾癬では寛解達成後、どのタイミングで全身性治療を中止するかの決定が重要な問題となっている。著者は、「今回の所見は、間欠的な治療が必要な場合の全身性治療薬の選択について、臨床的な影響を与えることになるだろう」とまとめている。American Journal of Clinical Dermatology誌オンライン版2022年4月30日号掲載の報告。  研究グループはシステマティックレビューにて、乾癬患者の全身性治療中止後の再発までの期間を評価した。PubMed、Cochrane Library、Embaseのデータベースを系統的に検索し、乾癬患者への全身性治療中止後の再発までの期間を報告している無作為化試験を特定し、さらに著者は製薬会社に問い合わせ、特定公表論文の欠落データについて提供を受けた。各公表論文では、乾癬再発までの期間と投与中止のタイミングが慎重に評価されていた。検討では、投与中止時の乾癬コントロールのレベルと乾癬再発の定義が考慮された。

医療従事者、PPE着用時の皮膚病リスクと低減戦略

 シンガポール・国立皮膚疾患センターのWen Yang Benjamin Ho氏らは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックにおける最前線の医療従事者を対象に、個人用防護具(PPE)着用と職業性皮膚病(OD)との関連を明らかにする疫学調査を行い、リスク因子と低減戦略を検討した。  対象者416例のうち73.8%がPPE関連OD(PROD)を有したと回答。そのエビデンスベースに基づく推奨事項として、着用から1時間ごとに休憩を予定する、さまざまなPPEを試してみることなどの知見が得られたと報告した。JAAD International誌オンライン版2022年4月8日号掲載の報告。

中等症~重症アトピー性皮膚炎へのウパダシチニブ、長期有効性を確認

 中等症~重症のアトピー性皮膚炎患者(青少年および成人)に対するJAK阻害薬ウパダシチニブの有効性と安全性について、2つのプラセボ対照試験結果の長期52週時のフォローアップデータ解析の結果を、米国・オレゴン健康科学大学のEric L. Simpson氏らが発表した。ベネフィット・リスクのプロファイルは良好であり、16週時点で認められた有効性は52週時点でも確認されたという。JAMA Dermatology誌オンライン版2022年3月9日号掲載の報告。  研究グループが、アトピー性皮膚炎患者に対するウパダシチニブの長期(52週)の有効性と安全性を評価するため解析した2つの試験は、いずれも現在進行中の第III相二重盲検プラセボ対照反復無作為化試験「Measure Up 1試験」と「Measure Up 2試験」。それぞれ、151施設および154施設で中等症~重症アトピー性皮膚炎の青少年および成人患者が参加している。今回の解析のためのデータカットオフ日は、それぞれ2020年12月21日と2021年1月15日であった。

短期曝露の大気汚染、乾癬フレアのトリガーに?

 大気汚染への短期曝露が乾癬フレアのトリガー要因である可能性が示唆された。イタリア・ベローナ大学のFrancesco Bellinato氏らが症例クロスオーバーと断面調査法による観察試験の結果を報告した。  再燃と寛解を繰り返す慢性炎症性疾患の乾癬は、感染症やストレスフルなライフイベント、薬剤など特定の環境要因によって再燃が引き起こされる可能性が示唆されているが、大気汚染がトリガー要因なのかについては不明なままである。JAMA Dermatology誌オンライン版2022年2月16日号掲載の報告。

ウパダシチニブ+TCS、日本人アトピー性皮膚炎患者への安全性確認

 日本人のアトピー性皮膚炎(AD)の治療として、経口ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬ウパダシチニブ+ステロイド外用薬(TCS)併用の安全性を検討した、京都府立医科大学の加藤 則人氏らによる第III相無作為化二重盲検試験「Rising Up試験」の24週の中間解析結果が発表された。ウパダシチニブに関する既報の知見と、概して一致した結果が示され、安全性について新たなリスクは検出されなかったという。JAAD International誌2022年3月号掲載の報告。  Rising Up試験は、12~75歳の日本人の中等症~重症AD患者を対象とし、被験者を無作為に1対1対1の3群に割り付け、(1)ウパダシチニブ15mg+TCS、(2)ウパダシチニブ30mg+TCS、(3)プラセボ+TCSをそれぞれ投与した。安全性は、有害事象と検査データに基づき評価した。

5年間のビタミンD補給により自己免疫疾患のリスク低減/BMJ

 5年間のビタミンD補給により、オメガ3脂肪酸の追加の有無を問わず、自己免疫疾患の発生が22%減少し、オメガ3脂肪酸の補給では、ビタミンD追加の有無にかかわらず、統計学的有意差はないものの同疾患が15%減少することが、米国・ハーバード大学公衆衛生大学院のJill Hahn氏らが行った「VITAL試験」で示された。研究の成果は、BMJ誌2022年1月26日号で報告された。  研究グループは、ビタミンDと海産動物由来の長鎖オメガ3脂肪酸は自己免疫疾患のリスクを低減するかを検証する目的で、2×2ファクトリアルデザインを用いた二重盲検プラセボ対照無作為化試験を行った(米国国立衛生研究所[NIH]の助成による)。

アトピー性皮膚炎患者、デュピルマブ治療の自己評価は?

 米国・イェール大学のBruce Strober氏らは、臨床試験に参加しデュピルマブ治療を受けたアトピー性皮膚炎(AD)患者の、自己申告に基づく疾患コントロールおよびQOLをオンラインサーベイにて評価した。結果は臨床試験での患者報告アウトカムと一致しており、治療満足度を含むすべての患者報告アウトカムについてベースラインと比較して統計学的に有意な改善が示され、デュピルマブ治療は最長12ヵ月にわたる迅速かつ持続的な疾患コントロールと関連していることが見いだされた。JAMA Dermatology誌オンライン版2021年12月15日号掲載の報告。

デュピルマブ、中等症~重症喘息児の急性増悪を抑制/NEJM

 コントロール不良の中等症~重症喘息児の治療において、標準治療にデュピルマブ(インターロイキン-4受容体のαサブユニットを遮断する完全ヒトモノクローナル抗体)を追加すると、標準治療単独と比較して、急性増悪の発生が減少し、肺機能や喘息コントロールが改善することが、米国・ヴァンダービルト大学医療センターのLeonard B. Bacharier氏らが行った「Liberty Asthma VOYAGE試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌2021年12月9日号で報告された。  研究グループは、コントロール不良の中等症~重症喘息の小児の治療におけるデュピルマブの有効性と安全性の評価を目的に、国際的な二重盲検無作為化プラセボ対照第III相試験を実施した(SanofiとRegeneron Pharmaceuticalsの助成による)。