中等症~重症アトピー性皮膚炎(AD)の青少年・成人患者において、インターロイキン13(IL-13)をターゲットとする高親和性モノクローナル抗体lebrikizumab(LEB)と局所コルチコステロイド(TCS)の併用は、TCS単独と比べてアウトカムの改善が認められた。米国・オレゴン健康科学大学のEric L. Simpson氏らが第III相無作為化試験「ADhere試験」の結果を報告した。安全性は先行試験の報告と一致していた。LEB単剤の有効性と安全性は、第IIb相試験の16週単独投与期間中および2件の52週の第III相試験で示されていた。JAMA Dermatology誌オンライン版2023年1月11日号掲載の報告。
ADhere試験は、第III相多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照試験で、2020年2月3日~2021年9月16日に、ドイツ、ポーランド、カナダ、米国の54の外来施設において16週間の期間で実施された。青少年(12歳以上18歳未満、体重40kg以上)と成人の中等症~重症AD患者を対象とした。
全体で211例が2対1の割合で、LEB+TCS群(ベースラインと2週目に500mgを投与、その後隔週で250mg投与)またはプラセボ+TCS群に無作為に割り付けられ、TCSとの併用投与を16週間受けた。
16週時点で有効性解析が行われ、主要エンドポイントは、Investigator's Global Assessmentスコア0または1(IGA[0、1])を達成かつベースラインから2以上改善した患者の割合であった。主要な副次エンドポイントは、Eczema Area and Severity Indexの75%改善(EASI-75)を達成した患者の割合(欧州医薬品庁[EMA]では本項目も主要エンドポイントに設定)、Pruritus Numeric Rating Scaleに基づくかゆみ、睡眠へのかゆみの影響、QOLなどであった。安全性評価には、有害事象(AE)のモニタリングが含まれた。
主な結果は以下のとおり。
・被験者211例の平均年齢(SD)は37.2(19.3)歳で、女性が48.8%(103例)であった。人種はアジア系が14.7%(31例)、黒人/アフリカ系のアメリカ人が13.3%(28例)であった。
・16週時点で、IGA(0、1)達成患者の割合は、プラセボ+TCS群が22.1%(66例)であったのに対し、LEB+TCS群は41.2%(145例)であった(p=0.01)。EASI-75達成患者の割合は、それぞれ42.2%、69.5%であった(p<0.001)。
・LEB+TCS群は、主要な副次エンドポイントすべてで、統計学的に有意な改善を示した。
・治療中に発現した有害事象(TEAE)のほとんどが、重篤ではなく、重症度は軽症または中等症であった。
・LEB+TCS群で報告頻度が高かったTEAEは、結膜炎(7件、4.8%)、頭痛(7件、4.8%)、ヘルペス感染(5件、3.4%)、高血圧(4件、2.8%)、注射部位反応(4件、2.8%)であった。これらのTEAEのプラセボ+TCS群での発現頻度は、いずれも1.5%以下であった。
・患者の報告に基づく重篤なAEの発現頻度は、LEB+TCS群(2件、1.4%)とプラセボ+TCS群(1件、1.5%)で同程度であった。
(ケアネット)